蝶の観察記録(2005年)
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西久保田んぼを主体とした狭山丘陵周辺の蝶の観察記録及び、奥多摩や山梨県などへ遠征した記録を日記風に掲載します。(写真については適宜削除していきます。)

12月23日(金)
晴れ
西久保田んぼ

12月に入って寒い日が続き、田んぼの水面もほとんど厚い氷に覆われてしまっている。気象庁も暖冬と予報していた今冬について、20年ぶりの寒い冬になると修正したほどだ。
それでも今日は幾分寒さが和らいでいるようだが、成虫は期待できないだろうとオオムラサキの越冬幼虫などを探してみる。昨年多数見つかったエノキからは発見できず、別の木の根元の落ち葉からゴマダラチョウとともにオオムラサキも見つかった。
その後、イボタからウラゴマダラシジミの卵を探す。昨年は苦労して見つけたが、今年はそれ程労せずに見けることが出来た。
付近の日当たりの良いアラカシの周りを飛ぶ蝶を発見した。ムラサキシジミだ。暫く観察するとアラカシの葉に止まり翅を広げてくれた。

11月27日(日)
晴れ
西久保田んぼ
11月末にもかかわらず温暖な日が続いているが、田んぼの周辺の木々はすっかり紅葉し、虫たちの姿も少なくなった。
草地に僅かに見られるカマキリやイナゴなどは活動が鈍い。アキアカネなどもまだかなり見られるが、日当りの良い地面や草の葉で翅を休める個体が多い。
蝶は、草地にツマグロヒョウモンやヤマトシジミ、モンシロチョウが、また周辺のアラカシの木ではムラサキシジミが確認できた。
10月22日(土)
曇り一時雨
10月23日(日)
晴れ
西久保田んぼ

時々小雨のぱらつく中、晩秋に発生するキノコを探しに田んぼの奥の林に出掛ける。クリタケなどを探しながら林の中を歩いていると、突然足元から黒い蝶が飛び出した。クロヒカゲより大きめなため、若しやと思って後を追い地上に止まったところを確認すると、待望のクロコノマチョウであった。昨年この地では一頭も確認できなかったため、発生が途絶えてしまったかと思っていた。

翌23日は朝から雲一つない秋晴れ。田んぼには相変わらずツマグロヒョウモンやヒメアカタテハ、ヤマトシジミなどが多い。林縁の日当たりの良い場所にアサギマダラが翅を休めていた。渡りの途中の個体であろうか、余り離れていない場所にさらにもう一頭が日向ぼっこをしていた。
草地では、複数のベニシジミがギシギシに産卵に来ていて、もかなり確認できた。
昨日クロコノマを発見した場所に再び行ってみたが、今日は姿を確認出来なかった。

10月15日(土)
曇り時々晴れ
西久保田んぼ
西久保田んぼは10月も半ばになると、稲刈りが行われすっかり秋の装いとなる。
田んぼの周りで見られる虫たちも残り少ない活動期を精一杯楽しんでいるように見える。 アキアカネは交尾個体が多数目に付くようになり、草地では多数のヤマトシジミやモンシロチョウ、キチョウ、モンキチョウが各種の草花で吸蜜する。ツマグロヒョウモンは相変わらず元気にテリトリーを張り、この時期としては珍しいオオウラギンスジヒョウモンも見られた。晩秋の主役のキタテハも個体数を増し、ヒメアカタテハやテングチョウも多い。この季節のテングチョウは盛んにミソソバなどの草花や茶の花などで吸蜜している。
土手の上ではジャコウアゲハの終齢幼虫が見られ、来年の発生が期待できた。
9月10日(土)
晴れ時々曇り
西久保田んぼ
気温は30℃を超え相変わらず残暑が厳しいが、アキアカネが少しづつ見られるようになり、季節は確実に秋に移り始めている。 草地には相変わらずイナゴやショウリョウバッタ、トノサマバッタなどが多い。
先週は見られなかったヒメアカタテハがニラの花で吸蜜したり、ヨモギに産卵している。また、スイカズラに産卵するイチモンジチョウも見られ、も見つかった。
その後、キノコを探しに林の中に入る。地上に生える大型のキノコが10種類程見られたがどれも食用には向かないものばかり。唯一食用のタマゴタケを探したが見つからなかった。キノコを探している時に薄暗い林の中からミドリヒョウモンの雌が現れ、コナラの樹幹などに産卵していた。
9月4日(日)
晴れ時々曇りのち雨
西久保田んぼ
西久保田んぼでの観察記録更新を一ヶ月以上怠ってしまった。この間、全く観察をしていなかった訳ではないが、盛夏の頃はHPに掲載するほどの記録も少ないためと、実は観察フィールドを山梨や長野などの山地帯に移してしまっているのも理由の一つ。
9月に入り幾分しのぎ易くなったため、息子の遊びに付合いがてら観察を再開した。
昨日は田んぼの草取りなどが行われていたため、大勢の人達で賑わっていたが、今日はいたって静かである。草地にはイナゴやショウリョウバッタ、トノサマバッタなどが多い。いまだにタマムシも見られる。蝶ではイチモンジセセリやオオチャバネセセリ、ヤマトシジミが数を増し、キマダラセセリやヒメキマダラセセリなども見られた。
春にジャコウアゲハが見られたポイントでは数頭のジャコウアゲハが見られ、この地での繁殖が確実なものと確信した。付近のニラの花にはイチモンジセセリなどに混じって、アカタテハツマグロヒョウモンが吸蜜に来ていた。
7月23日(土)
曇り
西久保田んぼ
本格的な夏となってから、暫く西久保田んぼ周辺の観察はご無沙汰してしまったが、今日は猛暑も一休み、久しぶりに息子を伴ってやってきた。
盛夏には、一時的に蝶の種類や個体数が減るような気がするが、人家のブットレアの花ではアカタテハやイチモンジセセリが吸蜜し、駐車場周辺の水分を含んだ地表では、コチャバネセセリウラギンシジミ、キチョウなどが吸水していた。周辺の林ではルリタテハがクヌギの樹液にきていた。
7月2日(土)
曇り一時晴れ
西久保田んぼ
午前中は曇りがちであったが午後から晴れ間がのぞく。
田んぼの畦に植栽されたハンノキにはミドリシジミが産卵に来ている。目線よりやや高い位置ではあるが複数が幹などに止まっている。時間は午後3時。近くにはも見つかる。
駐車場ではオオウラギンスジヒョウモンが吸水していた。クヌギの樹液ではカブトムシの雌雄も見られ、そろそろ夏本番である。
6月19日(日)
曇り一時晴れ
西久保田んぼ
昨日に引続き西久保田んぼへ。
再びミドリシジミを観察するが、下草などに止まる個体は見られなかった。代わりにムラサキシジミミズイロオナガの開翅が見られ撮影できた。帰りがけに駐車場で吸水に訪れていたヒオドシチョウを見つけた。撮影後、ふと、近くで吸水するもう一頭タテハチョウに気がつく。真っ黒な裏面はクジャクチョウ以外の何者でもない。そう言えば昨日、『緑の森博物館』の職員の方が、博物館の周辺でクジャクチョウを撮影したと言っていた。その時は半信半疑であったが、この目で確認したことによって偶然ではなさそうだ。母蝶がこの近くに産卵したのだろうか。写真の個体は羽化して間もないようだった。
6月18日(土)
曇りのち晴れ
西久保田んぼ
予報では梅雨の中休みと言っていたが雲が多い。
ミドリシジミの撮影のため田んぼに出掛ける。駐車場の周りには相変わらずテングチョウが多い。散策路脇の草地を飛ぶオレンジの小さなセセリチョウはキマダラセセリに入れ替わっていた。
先日、田んぼでお会いした同好者のS氏がすでに見えており、ミドリシジミの撮影に成功しその成果を見せていただいた。期待が弾むが、暫く待っても樹上から降りてこない。他を散策した後にまた来ることに。
萌芽更新した林では、ミドリシジミやウラナミアカ、ウラゴマダラ、ムラサキシジミ、ヒオドシチョウなどが見られ、発生時期の早いタマムシも見られた。
晴れ間が見えるようになり、再びミドリシジミを見に行くと例年より個体数も多くすでにメスも発生していた。下草などに止まる個体も見られ無事撮影できた。
ザリガニ釣りをやていた息子の「お昼だから帰ろうよ」と叫ぶ声に促されるまで夢中で写真を撮っていて、時の経つのも忘れるほどミドリシジミは美しく、その撮影は楽しいものであった。
6月12日(日)
晴れ時々曇り
西久保田んぼ
昨日より好天となり梅雨の晴れ間がのぞく。
駐車場の周りには数十頭のテングチョウが吸水に訪れ、人の気配などに驚いて飛び立ったところは黒い紙吹雪の様である。それらに混じってウラギンシジミやルリシジミも複数が吸水に来ている。
上流部の林内ではヒカゲチョウが多い。運良く、下草に羽を休めるオオミドリシジミウラナミアカシジミも見られ、ウラゴマダラも飛翔中のものはかなり見られた。
西久保では個体数の少ないツマグロヒョウモンやメスグロヒョウモン、ミドリヒョウモンなどのヒョウモン類も姿を見せ、ヒオドシチョウとルリタテハは昨日と同じ場所でテリを張っていた。
6月11日(土)
曇り
西久保田んぼ
先日、関東地方でも梅雨入りしたため、朝からどんよりした曇の多い天気。
午前中は仕事があり、午後から西久保田んぼへ。田んぼでは稲作体験教室の田植えを行っていたため、大勢の親子で賑わっている。仕方なく上流部の林の周りでゼフの発生状況などを観察する。
モンシロチョウやキチョウ、ヒカゲチョウが多く、林縁の下草や低木には羽を休めるミズイロオナガが多い。ルリタテハやヒオドシチョウ、ウラゴマダラシジミも見られたが撮影は出来なかった。ムラサキシジミやウラギンシジミも発生していた。
田植えが終わって皆が帰る頃には、アカシジミやウラナミアカシジミがコナラなどの樹上を盛んに飛び始めた。駐車場の周りでは吸水するテングチョウやルリシジミが見られた。
5月29日(日)
晴れ時々曇り
西久保田んぼ
先週は見られなかったヒメキマダラセセリが多い。キマダラヒカゲやキタテハも個体数を増し、ダイミョウセセリやコミスジ、イチモンジチョウ、ゴマダラチョウ、ヒメウラナミジャノメは相変わらず多い。ゴイシシジミアオスジアゲハ、クロアゲハ、オナガアゲハ、ミドリヒョウモンなども確認する。夕方、樹上を飛ぶアカシジミもちらほら見られた。
ジャコウアゲハは食草付近を飛ぶ数頭を見かけたが、先週に比べ明らかに個体数が減った。
5月22日(日)
曇り時々晴れ
西久保田んぼ
ジャコウアゲハの発生状況を確認に行く。
食草付近の茶畑や草地の上などを飛ぶ10頭近くのオスを確認する。メスは一頭のみ確認。先週のオスが他の場所から飛来したものではなく、ここで発生したものと確証を得る。
先週見られた種に加え、ダイミョウセセリイチモンジチョウ、ゴマダラチョウが多い。
帰宅後、自宅のエノキにゴマダラチョウが産卵にやってきた。
5月15日(日)
曇り時々晴れ一時雷雨
西久保田んぼ
曇りがちで、時折晴れたり雷雨があったりと、目まぐるしく天候が変化する一日。
西久保田んぼ周辺では30年近く確認していなかったジャコウアゲハを確認する。この近くでは、所沢市三ヶ島地区に発生ポイントがあり、距離もそれほど離れてはいない。近年田んぼの西側の土手や畑にウマノスズクサが見られるようになり、いずれは発生するだろうと予想していたのが現実となったようだ。ただオスの一個体の確認であるため、今後の発生状況を観察する必要がある。
ジャコウアゲハの他には、キアゲハやキチョウ、コミスジ、ヒメウラナミジャノメ、コジャノメ、ムラサキシジミ、ヤマトシジミなどが見られた。
帰りにY氏宅で羽化後間もないゴマダラチョウを見る。
5月1日(日)
曇り時々晴れ
西久保田んぼ
田んぼの水路近くのエノキでコマダラチョウの幼虫を見つける。越冬時から比べかなり成長してるが、体色にあまり変化がない。
水を張っていない田んぼでは、コチャバネセセリが盛んに湿った土で吸水している。キアゲハも畦に生えるセリに産卵に訪れ、も多数見つかる。ミドリシジミの幼虫はハンノキの葉を綴りその中に潜んでいる。中を覗き込むと、まだ中齢幼虫程度のようだ。
4月30日(土)
晴れ
西久保田んぼ周辺
一週間ぶりにY氏宅のオオミドリの幼虫を見に行く。カシワの葉は大きく開き、あちこちに幼虫の食跡が見られ無事に育っている様子。葉上や鱗片などの隙間から3頭確認できた。コナラの幼虫はすでに終齢となっていた。ウラゴマダラの幼虫も終齢となり、蛹化が近いようだ。
西久保田んぼのムラサキシジミも早いものは3齢幼虫となっていた。
4月23日(土)
曇り時々晴れ
西久保田んぼ
西久保田んぼでは、たくさんの春の蝶が飛び交う。複数のキアゲハが湿地の周りを低く飛び、セリの葉に産卵している。ツマキチョウも多く、時折ムラサキケマンの花で吸蜜する。他にベニシジミやツバメシジミ、モンシロチョウ、モンキチョウが目に付く。
萌芽更新した東側斜面に登るとミヤマセセリが多い。オスの発生期は過ぎメスが大半である。時折、クヌギやコナラの若葉付近に産卵している。青紫色の小さな蝶が視界を横切ったのでトラフシジミかなと思ったらムラサキシジミであった。付近のアラカシやシラカシの周りを飛び交い、時々産卵行動をとる。新芽付近からは、卵もかなり見つかる。越冬したキチョウやルリタテハ、テングチョウもまだ見られた。
帰りがけにY氏の家に寄り、カシワのオオミドリの幼虫を観察する。カシワの新芽は大きくほころび、注意して探すと新芽の側面に小さな穴が2つほど開いていた。幼虫が食い込んだ穴と思われ、無事に育っていることだろう。コナラの幼虫はかなり成長していた。
4月9日(土)
晴れ
西久保田んぼ
ギフチョウの撮影から帰って、息子とY氏の家に遊びに行く。早速ウラゴマダラの幼虫を探すとかなり大きく成長している。そろそろ孵化が気になっていたカシワに産卵されたオオミドリの卵は、すでに孵化した後であった。しかし、カシワの新芽はまだ芽吹いてないため、幼虫はどうしているのか探してみると、新芽のすぐ下にいるのが確認できた。この新芽の状態ではあと数日は餌にありつけないだろうが、その間無事でいてほしい。
子供たちが庭で遊んでいる間、Y氏と西久保田んぼに行く。水辺には相変わらずヒキガエルが多く、卵もかなり産んであるミドリシジミの卵の多くは孵化していた。トウキョウサンショウウオの卵のうは、上流部に数個見られただけで例年に比べ数は少ないようだ。
4月7日(木)・8(金)
曇りのち晴れ
西久保田んぼ
昨日、今日と30℃近くまで気温が上がり、遅咲きだった桜の花も一気にほころんだ。ここ数日の夜間、西久保田んぼにヒキガエルの観察に出かけているが姿が見えない。今夜も仕事が終わって子供たちを連れて観察に出かける。
ヒキガエルの産卵行動は、西久保田んぼ入り口のシダレザクラの開花が一つの目安となっている。今夜の桜は昼間の高温で一気に開花が進み満開状態である。期待をかけて田んぼを目指すと「いるいる!!」たくさんのヒキガエルが。この時期の夜間だけに見られるヒキガエルの オーバンバルだ。

翌日の8日には、子供の入学式があるため半日休暇をとった。式の開始時間の午前10時までには多少時間があったため、再び西久保田んぼを訪れると、昨夜の居残り組みのカップルや相手に恵まれなかったオスがまだ水辺の周りをうろついていた。
4月3日(日)
晴れのち曇り
西久保田んぼ
関東地区のギフチョウ発生地へ出かける予定であったが、昨日の天気予報では雨模様のため、仕事の予定を組んでしまった。ところが朝起きたら雲一つない晴天、予定を組んだことが悔やまれた。多少時間があったので西久保田んぼへ出かけてみる。
まずはミドリシジミなどゼフの卵が気になったので観察する。ミドリシジミの卵は正孔部に穴が開き孵化の準備が始まっていた。ハンノキの新芽は大きく膨らみかけている。ウラナミアカとミズイロオナガの卵については変化なし。ウラゴマダラの幼虫は新芽に食い入っている。
溜池や水路にヒキガエルやトウキョウサンショウウオのは卵は見られない。例年に比べ遅れているようだ。偶然溜池に黒いトカゲの様な生き物を発見、トウキョウサンショウウオかと思ったらアカハライモリであった。
上流部ではテングチョウやルリタテハが見られ、今シーズン初のミヤマセセリとコツバメも一頭づつ確認できたが、撮影はかなわなかった。
3月19日(土)
晴れ
狭山丘陵
マウンテンバイクで狭山丘陵の探索に。気温はかなり上昇するが風が強い。『緑の森博物館』から先は未舗装の道となり、さらにその先の車両の進入が禁止されている水源林の管理用道路を下る。路上には、越冬したテングチョウやルリタテハが多い。ミヤマセセリの発生を期待したが確認できなかった。狭山湖に注ぐ沢の水路や湿地でトウキョウサンショウウオの卵のうを探してみたが、確認できたのは少数で、本格的な春の訪れはもう少し先のようである。
3月13日(日)
曇り時々晴れ
西久保田んぼ
自然を見つけに山歩き』のB氏に西久保田んぼを案内する。昨日に比べ気温が低下し、寒い一日となってしまった。昨日はすぐに見つかったベニシジミの幼虫がどうしても確認できなかった。卵に穴をあけ孵化の準備が始まっていたウラゴマダラは、一頭孵化していた。付近の新芽を確認したが幼虫は見つからない。他ウラナミアカの卵などを案内したのち、西久保から場所を移し、ジャコウアゲハの蛹などを見に行く。B氏とはここで別れ、私は再び西久保へ戻って観察を。
東側斜面の下草刈りの際、一緒に切り倒されてしまったクヌギの幼木からゼフの救出を兼ねて観察に。見つかったのはミズイロオナガが一卵、オオミドリが一卵(こちらは寄生卵)で自宅に持ち帰り飼育することにした。
3月12日(土)
曇り一時晴れ
西久保田んぼ
カエル研究家のT氏と西久保田んぼで行き会う。アカガエルの産卵調査のため、卵の数をカウントしており、しばし確認のお手伝いを。
この時期西久保田んぼには、ニホンアカガエルとヤマアカガエルが産卵に訪れ、3対7ぐらいの割合で卵が確認できると言う。卵は見た目では区別がつきにくいが、寒天質の部分が少し濁っているのがニホンアカ、透き通っているのがヤマアカだそうで、比較すればどうにか区別がつく。また、卵がしっかりしていて形が崩れにくいのがニホンアカで、掴んでみるとより区別しやすい。卵は早いもので2月22日に確認され、すでにオタマジャクシも見られた。
しばらくして気温が上昇してきたため、蝶の成虫の活動を期待したが、キタテハ一頭を目撃しただけで、他に成虫は見かけなかった。ウラゴマダラの卵は中心部に穴が開き始め、孵化の準備が始まっている。ベニシジミの幼虫は未確認であったが、活動が活発化して見つけやすくなったためか、ギシギシの葉から複数の幼虫を見つけることが出来た。
3月5日(土)
曇り時々晴れ
西久保田んぼ
気象庁の長期予報では、今年の冬は暖冬と発表してたような気がするが、全くその気配がない。大晦日から始まり何度目の降雪だろうか。全く降らないのも寂しいが、大人社会は雪を嫌う。しかし、雪かきしないで済む程度なら休日の積雪は結構楽しいものだ。
早速、息子と西久保田んぼへ。
田んぼの入り口に差し掛かったところで、駐車場には重機が入り何か物々しい様子が伺える。駐車場の排水を良くする工事をしているらしい。駐車場を迂回して田んぼに着くと、すでに子供たちの歓声が聞こえる。近づくとY氏とU氏の子供達がかまくらを作っている。息子は保育所でクラスが同じため、すぐに皆とかまくら作りに参加してしまう。残された私は、ウラゴマダラシジミの孵化が始まっていないか確認したり、 ミドリオオミドリ、ミズイロオナガ、ウラナミアカシジミと一通りゼフの越冬卵を確認した。
1月30日(日)
晴れ
狭山丘陵周辺
蝶の写真館』のダンダラさんと狭山丘陵周辺を散策する。本人に会うのは今日が始めてである。緑の森博物館で待ち合わせ、お会いした印象は、HPの自己紹介の写真より多少恰幅が良いという印象。狭山丘陵にはすでに何度か足を運ばれており、自分が案内するより先にムラサキシジミの越冬場所などを案内してしてもらう。途中、ジャコウアゲハの蛹を見たりしながら、多摩湖方面に向う。
ムラサキシジミが越冬していた枯葉には、残念ながらすでにその姿はなかったが、越冬場所のイメージは十分掴めた気がする。同様の性質を持つムラサキツバメについても、氏はすでに観察・撮影され越冬状況にも詳しいため、昨年秋に成虫をたくさん確認したポイントに、運がよければ集団越冬に対面できるかもと淡い期待を持って案内する。この場所は私有地のため隣接する道路からマテバシイの枯葉などを覗き込む。暫く探すと、枝に掛かる一枚の枯葉に茶褐色の蝶を見つける。ムラサキシジミである。今さっき教えてもらったことが早速生かされた。この調子でムラサキツバメもと思ったがそう甘くはなかった。その後、六道山公園や西久保田んぼ周辺を散策して緑の森博物館まで、概ね狭山丘陵一周の観察を終えた。
1月22日(土)
晴れ
西久保田んぼ
久々にクラブのEOSを借りてきたので、西久保田んぼへ撮影に出かける。駐車場に着くなり、いつもと景色が違うことに気づく。田んぼの東側、萌芽更新した斜面の下草刈りがしてある。先週が雨天のため、ここを訪れるのは2週間ぶり。この間に作業が行われたようだ。2週間前までは身の丈程の笹が生い茂り進入を拒んでいたが、きれいに笹が刈り倒されあちこちにクヌギやコナラの幼木が確認できる。
早速、ウラナミアカの卵でも見つけようと斜面を登り、切り株から伸びたクヌギの幼木の細枝に目を通す。本種の卵は、母蝶が産卵時にゴミなどを付着させカムフラージュするので見つけにくい。予想どおり卵はなかなか見つからなかったが、斜面を登りきった所の3mほどのクヌギでそれらしきを見つけ、ルーペで確認するとミズイロオナガの卵であった。その後この木を暫く探して、ようやく本命のウラナミアカの卵を発見できた。
1月3日(月)
晴れ時々曇り
西久保田んぼ
新年明けましておめでとうございます。本年よろしくお願いします。
2005年は、観察記録の更新頻度をもう少し上げるよう心掛けますので、ご期待ください。
早速、西久保田んぼ上流部のミドリシジミの卵の観察に。昨年暮れに探した時は、一卵も確認できなかったため、見つけるまで帰らないつもりで臨んだ。大晦日に降った雪が湿地一面に残って凍結していたため、ぬかるみに足をとられることもなく、ハンノキの幹をなめるように探した。予想に反して、最初に取り付いたハンノキから卵は見つかり、前回の観察を疑った。結局、探したハンノキのほとんどから卵は確認でき、ほっと一安心。
気を良くして、もう一つの課題であるウラゴマダラの卵を探す。湿地の周りにはイボタも多く、上流部から下流に向ってくまなく探すことにする。途中、コナラのひこばえから幸運にもオオミドリの卵が見つかった。しかし、本命のウラゴマダラはなかなか見つからず、いよいよ諦めようかと思ったときに一卵塊発見できた。
帰り際、丘陵を一人で散策してきたとO氏に遭遇し、新年の挨拶を交わた。「この景色を見てるとホッとするよね。」としみじみ語っていた。「同感 !!」植樹したハンノキに産卵されたミドリシジミの卵を案内し、何気にこのホームページのことも伝えておいた。いつまでも、この里山の自然が守られますように・・・