蝶の観察記録(2008年)
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西久保田んぼを主体とした狭山丘陵周辺の蝶の観察記録及び、奥多摩や山梨県などへ遠征した記録を日記風に掲載します。(西久保田んぼ周辺以外の蝶の観察記録はこちらへNew

11月23日(日)
晴れ
西久保田んぼ

数日前に霜も降り、田んぼ周辺の様子もどこか冬の装いに変わりつつある。
早速、今年に入って急速に個体数を増したアカボシゴマダラの幼虫を探そうと、付近のエノキを確認する。すでに幼虫は越冬態勢に入っていると思われたため、幹などを重点に探してみると、まずはゴマダラチョウの幼虫が見つかった。地上に下りる途中の幼虫のようだ。1本目のエノキからはゴマダラのみで、場所を移動して2本目を確認する。林縁の日陰に生える高さ3m程の小さなエノキ。幹から分かれる枝も少なく、分岐部を確認するとすぐにアカボシの幼虫が見つかった。さらにもう1頭見つかり、この蝶がすでにこの地に定着してしまったと感じた。

10月26日(日)
曇り
狭山丘陵
先週、袋掛けしたアオバセセリの幼虫を確認に行くと、同じネットの中にスミナガシの幼虫も紛れ込んでいてアワブキの葉が殆ど食べ尽くされている状態であった。そんな状況もあったのか、アオバの幼虫は枯葉の巣を脱出してネットの底の方で蛹化しようとあじを張っていた。思案の末、自宅のアワブキで蛹化させようと幼虫を持ち帰った。幸い数日後にはになり、HP仲間に引き渡すことに。待ち合わせは、前記事のクロコノマの羽化した場所。ポイントに到着するとすでに情報を受けたHP仲間が3人程集まり、今日も4頭のクロコノマが羽化していたので一緒に撮影に興じた。
その後、アサギマダラの幼虫が見られるとのことで、場所を移動して案内していただくことに。アサギの幼虫はヤマイモに良く似たつる性の植物ガガイモに産卵し、そのうち1頭が成長しているとのこと。探すと近くのヤマブドウの葉裏に静止した小さな幼虫を無事見つけることが出来た。その後、車を駐車した場所まで戻る間に、コミスジアカボシゴマダラアオスジアゲハの幼虫などが見つかった。
10月13日(月)
晴れ
狭山丘陵
前日、アオバセセリを観察した時に、クロコノマチョウの羽化が近いと教えていただいた。午後になって時間が出来たので、ふらっと出かけてみると、そのポイント近くに腰を下ろす人影が見えた。近づくとHP仲間のY氏とH氏であった。話を聞くと、すでに午前中から羽化を待っているとのこと。実際、羽化の兆候が現われてから優に1時間半以上経過していると言う。う〜ん辛抱強い。その後も待つこと約1時間、いよいよ感動のドラマが始まった。
10月12日(日)
曇り一時晴れ
狭山丘陵
HP仲間から狭山丘陵内のアワブキでアオバセセリの幼虫を見つけたと連絡いただいた。すでに幼虫期の観察のためにネットをかけておいたとのこと。早速確認に行くとすでにI氏とK氏が脚立に乗って観察中で、丁度良いタイミングであった。早速私も観察させていただくことにした。
9月20日(土)
晴れ時々曇り
西久保田んぼ
今年は、田んぼの周りのススキでクロコノマチョウの幼虫がかなり見られる。もちろん日当りの良い場所に生えるススキではなく、林縁などの薄暗い場所のススキで、背丈もそれほど大きくない。田んぼから林に続く小道を歩いていると不意にクロコノマチョウが飛び出した。付近にも食跡のあるススキがあった。
林内のコナラの若木の幹に甲虫の姿が見えた。近づくとノコギリクワガタの雄で、近くには雌の姿も確認できる。さらに、この木の根元には、この雄よりさらに大きな雄の死骸が見つり、近年では珍しく一度に複数のノコギリを見ることができた。小道を進むと地面を歩るくオオセンチコガネに遭遇。派手さは無いが、赤紫色に輝く光沢が中々美しい。
8月30日(土)
曇り一時晴れ
狭山丘陵
先週から雨模様の日が続き、久しぶりに雲間から太陽が覗く。
HP仲間から丘陵の一角にホソオチョウが発生しているとの情報を貰い早速出掛けてみる。この場所は20年程前にも数年間ホソオチョウが発生したことがあり、今回も人の手による放蝶の可能性が高いが、事実は不明だ。
草地に着くと複数の個体が緩やかに翔でいる。 付近のウマノスズクサには、ジャコウアゲハの幼虫とともにたくさんの幼虫が見つかり、今後も相当数が発生するものと思われた。
翌日にもう一度様子を見に行くと、昨日同様に草地の上を翔ぶ成虫の姿が見られ、撮影者も2、3人来ていた。この日はアカボシゴマダラの姿も見かけた。
8月3日(日)
晴れ
狭山丘陵
知り合いから、クヌギの樹液にアカボシゴマダラがきていると連絡を受けた。
休日を待って出掛けてみると、高さ4、5m程のクヌギの樹液にアカボシゴマダラが確認できる。そのうちオオムラサキもやってきて何とも豪華な顔ぶれとなった。
夏の雑木林は、何といっても樹液に集まる虫たちを観察するのが楽しい。カブトムシやクワガタも見つかるし、ルリタテハなどもよくやってくる。この日は幸運にもクロコノマチョウまで樹液にきていた。
7月6日(日)
曇り一時晴れ
狭山丘陵
前回、西久保で運良くスミナガシの撮影が叶った。
これをきっかけに幼虫探しもしてみたいと思っていた。すでに田んぼの近くのでアワブキを3本確認していたため、アオバセセリの幼虫ととも探索するつもりでいた。そんな折、HP仲間のB氏から両種の幼虫探索の連絡を受け快諾した。
ここのアワブキは、2本が隣り合わせに、もう1本も10mと離れずに自生している。3本とも樹高が4、5m程あり、幹も太くかなり立派な木だ。早速、2人で探し始めるが中々見つからない。葉にはかなりの食跡が見られるが、これは幼虫の食跡ではなさそうだ。葉を綴ったアオバセセリの巣のようなものも見つかるが、中に幼虫は見られなかった。
仕方なくこの3本を諦め丘陵内の別のアワブキを案内する。
この木は樹高3m程の貧弱な木だが、条件が良かったのか探し始めて程なくスミナガシの終齢幼虫を発見できた。他にもいないかと探していると、嬉しいことにまで見つけることができた。
アオバの幼虫は残念ながら見つからなかった。
6月7日(土)
晴れ時々曇り
西久保田んぼ
すでに梅雨入りしてはっきりしない天気が続いたが、今日は暫く振りに青空が広がった。
田んぼでは、稲作体験教室が行われ大勢の親子連れなどで賑わっている。
田植えの場所を避けて上流部へ向おうと散策路を歩いていると、珍しい蝶がいると声を発している女子学生がいた。すぐにそのもとへ寄ってみると、なんとスミナガシであった。田んぼの周りでは希少種で、まして第一化を見たのは初めてだ。無事撮影を済ませて、本日の目的であるミドリシジミのポイントに向った。
散策路を歩いていると、テングチョウがかなり目に付いた。他にもルリシジミやヒメキマダラセセリ、イチモンジチョウ、ツマグロヒョウモンなども見かける。上流部では、ウラゴマダラシジミウラナミアカシジミが見られ、すでに発生はピークを迎えているようだ。期待したミドリシジミは、残念ながら確認できず、来週辺りから羽化が始まるのだろう。
ところで、毎年ミドリシジミが羽化するこの時期には、西久保田んぼで再会する蝶の撮影仲間との情報交換も楽しいものだ。約束したわけではないが、今日もそんな機会を得てしばし話が弾んだ。
5月6日(火)
晴れ
狭山丘陵
GW最終日は、ようやく五月晴れとなった。午前中はウスバシロチョウの撮影などに出掛けていたため、 陽が西に傾きかけた頃、マンテンバイクで狭山丘陵内部へ足を延ばしてみる。林内はすっかり新緑となり、湿度も低く風が心地よい。
蝶の種類も4月中に見られた種から顔ぶれが変わり、コミスジなどが発生していた。今日は蝶の撮影目的ではなく、丘陵内の甲虫類を観察してみることに。数日前にHP仲間がハンミョウの写真を掲載していたため、それを撮影するのが主な目的。ハンミョウはここ数年見かけたことはなかった。と言うよりこの時期に丘陵内に足を運んでいなかった。
薄暗い林道では、アオオサムシの姿をよく見かける。そこから小道に入って暫くすると自転車の前を小さな虫が前方を飛んでいく。早速ハンミョウのお出ましだ。別名「道教え」の名があるように、進む先を前へ前へと逃げていく大変綺麗な甲虫だ。個体数も以前と変わりないようで、交尾中も個体も見かけた。
4月19日(土)
曇り一時晴れ
西久保田んぼ
田んぼの奥にミヤマセセリの産卵シーンを撮影に出掛ける。
撮影ポイントは、数年前に萌芽更新のため伐採した斜面だ。以前あったコナラやクヌギは大きくなりすぎて勢いがなく、伐採した株からはほとんど芽吹くことがない。そのため大半がボランティアなどの手によって苗木が補植され、樹高2、3m程の若い林が広がっている。
ミヤマセセリは、このような幼木に好んで産卵にくるため撮影ポイントとしては好条件だ。
時折晴れ間の覗く天気であったが、たくさんのミヤマセセリがコナラやクヌギの新芽付近に産卵している。今日は70−300mmのマクロレンズを用意したため、容易に産卵シーンが撮影できた。
ミヤマセセリ以外には、トラフシジミやツマキチョウ、キチョウなども見かけた。
3月22日(土)
晴れ
西久保田んぼ〜狭山丘陵

昨年の10月22日以来、5ヶ月振りの更新です。大変お待たせいたしました。

季節はすでに冬を越し、春の陽気。冬季にもしばしば田んぼに足を運んでいたが、レポートするようなネタも少なく、越冬卵や越冬幼虫など過去にかなりとり上げているため観察記録の更新が途絶えてしまった。

今日は、西久保田んぼ周辺を散策した後、丘陵内へ早春の蝶やトウキョウサンショウウオを観察に足を延ばしてみた。
田んぼ周辺の草地は緑も目立つようになり、モンシロチョウなどが翔び始めている。丘陵内に足を踏み入れると、スミレやウグイスカズラの花がかなり咲き始めている。小道の陽だまりでは、テングチョウルリタテハなど越冬から覚めた蝶が陽気に活動している。待望の春告蝶ミヤマセセリも期待通り姿を見せてくれた。まだ発生初期のため3、4頭見かけたに過ぎなかったが、春の訪れを十分実感できた。ルリシジミも運良く見られた。
毎年観察する水溜りには、すでに複数のトウキョウサンショウウオの姿が見られ、すでに卵のうも1組産卵済みあった。