蝶の観察記録(2004年)
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西久保田んぼを主体とした狭山丘陵周辺の蝶の観察記録及び、奥多摩や山梨県などへ遠征した記録を日記風に掲載します。(写真については適宜削除していきます。)

12月23日(木)
晴れ
山梨県柳沢峠付近
祭日を利用して山地性ゼフィルスの採卵に出かける。本日はY氏のいとこのK君に同行してもらい手伝ってもらう。柳沢峠付近はアイノ、メスアカ、エゾ、ウラミス、フジ、ウラクロと山地性ゼフィルスは一通り見られるが、峠を下だった塩山市や勝沼町に比べれば個体数は少ない。
午前9時過ぎに、まずはアイノを毎年確認しているポイントに到着。外気温は1℃、活動を始めるにはそれなりの気合が必要である。ようやく陽が当たり始め、寒さに体が慣れたところでミズナラの木に登り、高枝バサミで上部先端の小枝をいくつか落としてみるが卵が確認できない。他数本のミズナラも試すが一向に見つからない。今年は不作なのか。アイノを諦めウラミスのポイントへ。しかし、こちらも何故か見つからない。いよいよ青梅街道を下りながら、途中、メスアカとフジミドリに期待をかけたが両種とも確認できず、とうとうゼフの卵は一つも拝めなかった。
奥多摩湖畔まで下り、蕎麦屋で昼食をとって帰途についた。柳沢峠付近は高標高のため、暫くすると積雪でポイントへのアプローチが困難となる。リベンジは春先まで持ち越しとなりそうだ。
12月19日(日)
晴れのち曇り
西久保田んぼ
西久保田んぼの最上流部へミドリシジミの卵を確認に出かける。冬になると湿地帯も水位が低下し、湿生植物も枯れてくるため長靴着用なら十分入っていくことができる。一年振りに足を踏み入れた印象は、ハンノキの成長の早さである。"ひこばえ"は、かなりの太さに成長していた。
これらの幹からミドリシジミの卵を探すがなかなか見つからない。さらに例年なら結構卵が見つかるハンノキにも見られなかった。予想外に田んぼの畦に植えられたハンノキにはたくさんの卵が産み付けられていた。その後ウラゴマダラシジミの卵オオムラサキの越冬幼虫を探す。オオムラサキはまだまだ健在で、ゴマダラチョウと共にかなり見られた。
10月23日(土)
曇り一時晴れ
西久保田んぼ
キノコの撮影に西久保田んぼの奥へ出かける。度々やって来た台風などの影響で、十分な雨量があったため、キノコの発生には期待が持てる。また、数日前より冷え込みも増したため、晩秋に発生するキノコを撮影し『西久保田んぼの四季』に追加しようと考えていた。しかし、少し時期が早かったようだ。
帰りに田んぼに寄ると、ツマグロヒョウモンのオスが出迎えてくれた。湿地に隣接する畑の茶の花にはテングチョウが多い。アカタテハやヒメアカタテハも時折やってきた。カシの周りにはムラサキシジミ、草地にはヤマトシジミが多い。モンシロチョウもここへきて個体数を増した。
10月2日(土)
晴れ
自宅ほか
毎年この時期になると、猛禽類の一種であるサシバの渡りの観察に、瑞穂町の六道山公園展望塔に出かける。ここは渡りの観察ポイントとして条件もよく、多くのバードウォッチャーで賑わう。一年に一度この時期だけに会う仲間たちとの再会も楽しみなのだが。
とりわけ、さいたま市にお住まいのK氏夫妻との再会は楽しみである。K氏は蝶にも詳しく、毎年必ずといって良いほど海外へ撮影旅行に出かける。今年も中国の山岳地帯に出かけたと、青い斑紋のあるパルナシウスの仲間などの写真を見せてくれた。
ところで、K氏夫人の実家(横浜市)の庭に、毎年ツマグロヒョウモンが発生するそうで、庭のパンジーの保護を名目に幼虫を分けていただている。そして今年も本日、約束の幼虫を受取りに、保育園の運動会を30分程抜け出し展望塔に出向いていった。受取った幼虫は蛹も含め6頭。(大切に育てます。)自宅の庭にスミレ類をたくさん植えて待っているが、今年はまだツマグロヒョウモンは未確認。そろそろ姿を見せてもいいのになあと思っていたところ、保育園の運動会も終わり帰ろうしたところで、ツマグロヒョウモンのオスが園庭を横切っていくのを確認した。
9月25日(土)
曇り一時晴れ
自宅・西久保田んぼ
観察記録の更新が1ヶ月ぶりとなってしまった。この間、週末が天気に恵まれなかったり、晴れても用事があったりと、観察を怠った訳ではないが、記録に留める程の成果がなかったことも事実。唯一ムラサキツバメは幼虫や成虫を近くの公園などで多数確認できた。
本日も朝から厚い雲に覆われていたため、自宅の周りで観察する。彼岸を過ぎたというのにむし暑く、気温も30度近くまで上昇。しかし、蝶はあきらかに季節を感知し、秋の蝶が顔を揃える。自宅の蕎麦畑にはヤマトシジミやイチモンジセセリなどが群れをなす。4年程前から畑に蕎麦を作っているが、この白い花には多くの蝶が集まる。ウラナミシジミ、キチョウ、ヒメアカタテハ、ミドリヒョウモン等々。チャバネセセリも本日、他のセセリチョウの中から一頭見つけることができ、撮影に成功。ようやくメニューの『西久保田んぼ周辺で見られる蝶』に追加できた。普通種の上にあまり目立たないため、レンズを向けることがなかったせいだ。それから、Y氏が先日庭で撮影したモンキアゲハの写真を提供してくれ、これも追加でき、残るはあと3種となった。
午後から西久保田んぼへクロコノマの幼虫を探しに出かける。すでに周辺の目ぼしいポイントは探しているが、今年はまだ見つけることができない。『愛野緑』のH氏にも、見つけたら連絡しますと約束した手前、本気で探してみたが無駄足に終わった。これからしばらくは、子供の運動会等行事が続くため、成虫の確認に望みをかけるしかなさそうだ。ツマグロヒョウモンも田んぼのミソソバの花にやってくるのだが未確認。秋型のウラギンシジミが個体数を増していた。
8月25日(水)
曇り時々晴れ
山梨県一ノ瀬高原
最後の夏休み。息子と一ノ瀬高原へ。青梅街道から一ノ瀬高原に続く道路沿いのコンクリート擁壁には、キベリタテハが多い。休日ともなると大勢の採集者を見かけるが、平日のため一人の採集者にも会わず、のんびりと撮影に興じることができた。他にはシータテハやアサギマダラ、ミヤマカラスアゲハなどが見られた。一ノ瀬の集落までいくと、草地に相変わらずヒョウモン類やキチョウ、ジャノメチョウが多く、スジボソヤマキチョウやキアゲハも目についた。帰りに丹波山村の『のめこい湯』に寄る。入浴料は大人が600円であるが、小学生未満は無料がうれしい。
8月21日(日)
晴れ
西久保
Y氏の家に遊びに行く。昨日アオバセセリが庭に来ていたとのこと。今日も来ていないかと淡い期待を持って庭の草花を確認。機敏に動く大きめのセセリチョウを発見。期待通りのアオバセセリであった。しばらくブットレアの花で吸蜜していたため、念願の写真に収めることができた。
他にもイチモンジセセリやオオチャバネセセリ、ヒメアカタテハなど秋の蝶が個体数を増していた。また、今が盛りのクズの花や蕾には、ウラギンシジミの卵や幼虫が見られた。長生きな個体なのか、やや季節外れのタマムシが薪小屋に飛来した。帰りに西久保観音を廻るとヤママユガがブロック塀で羽を休めていた。
8月10日(火)
曇り時々晴れ
山梨県大泉村
夏休みを利用して息子と清里方面に出かける。美し森の先、大泉・清里スキー場に行きリフトに乗ることにする。4人掛けのリフトで1,600mの麓から終点の1,900mまで一気に登る。終点付近からの眺めは非常にいいが雄大な富士山と八ヶ岳は雲がかかって拝めなかった。付近のお花畑には、飛び古したヒョウモン類のほか、ベニヒカゲやアサギマダラ、クジャクチョウが多く見られた。
帰り道、日野春のオオムラサキセンターに立寄る。以前にも息子を連れてきたことがあり、行きがけに約束していた。息子は蝶よりも外国産の甲虫類に大喜びであった。
7月19日(日)
晴れ
山梨県泉水谷
ツーリングを兼ねて泉水谷へ。連日35度を上回る猛暑であったが、午前7時30分、通過する奥多摩湖ダムサイト入口の温度表示は22度を表示している。Tシャツに長袖のシャツ一枚では寒ささえ感じた。贅沢にも寒さに耐えながらさらにアクセルを開け泉水谷入口には8時過ぎに到着。泉水谷林道を登ると路肩にはすでに釣り人のものと思われる車が、駐車可能なスペースに必ずといっていいほど止まっている。よくこんな悪路を上がってくるなと感心する。先月ソフトボールの試合中に患った左ふくらはぎの肉離れがまだ完治していないこともあり、オフロードのオートバイを操るのも結構手ごわい悪路である。
渓谷づたいの林道を進むと吸水中のミヤマカラスアゲハが多い。早速オートバイを降りて撮影。降りたついでに一服していると渓谷上をなにやら金属片のような輝きがものすごいスピードで通過する。メスアカミドリである。渓谷上に突き出た枝の葉上にテリトリーを張っている。辺りにはいくつもの個体が確認できる。距離にして5m程、見下ろす位置でのアングルに思わずため息が出るほどの美しさ。撮影可能な距離に止まらないかとしばし待ってみるが、願いが通じずこの場を後にし、さらに上流を目指す。
視界が開け、かなりの標高を感じる。コムラサキ、シータテハの夏型やエルタテハが多い。また、気の早いスミナガシやアサギマダラを見かける。この先さらに林道の延長工事が行われ、通行止の表示に躊躇しながらも進んでいくと、林道沿いにはヒヨドリバナなどが咲き乱れ、ミドリヒョウモン、アサギマダラ、スジボソヤマキチョウ、クジャクチョウなどが目を楽しませてくれた。
7月19日(日)
晴れ
西久保
今年もY氏の庭のコナラには、オオミドリシジミが多数産卵していた。普通は一卵づつがオオミドリの産卵パターンであるが、このコナラには3卵、4卵の卵塊が見つかる。さらに、カシワの小枝にも4卵塊が見つかった。また、近くのコナラにはムラサキシジミの幼虫も。剪定後に伸びた新芽を食べ尽くす勢いだ。ムラサキシジミはカシ類、特にアラカシに好んで産卵するが、この庭のコナラは蝶を引きつける何かがあるのだろうか。

6月19日(土)
晴れ
山梨県一ノ瀬高原

梅雨の中休みが5日も続き、本日もまた朝から晴天のため、息子を伴って一ノ瀬高原まで遠征。遠征といっても約1時間半、息子が飽きない程度のドライブである。途中、丹波山村の集落を通過中、人家の梅の木の周りを飛ぶ大型の蝶が視野に入る。車を止めて確認するとオオミスジであり、数頭がこの木の周りを舞っていた。さらに進むと渓谷は深くなるがテングチョウが目に付く程度、青梅街道より一ノ瀬方面への狭い道に入ると途端にミスジチョウの姿が目に付く。時折オオミスジも混じるが、個体数は圧倒的にミスジのほうが多く、5頭もの集団が日陰の湿地で吸水している場面にも出くわした。
一ノ瀬の集落について民宿「しゃくなげ」で早い昼食。屋外のテーブルで山なみの景色を眺めながらソバをすすっているとフタスジチョウやウラギンヒョウモンが次々に庭にやってくるので、しばしば箸を置いてはシャッターチャンスを待った。無数のモンキチョウがお花畑の上を舞い、時折ウスバシロチョウがスローモーションで姿を現す。キャンプ場の方に足を延ばすとウラジャノメも見られた。
6月12日(土)
曇り
西久保田んぼ
となり町である瑞穂町産のミドリシジミを求めているHP『愛野緑』の作者H氏に連絡をとり、六道山公園周辺のミドリシジミの発生ポイントを案内する。ついでに西久保田んぼのポイントも案内し、複数の個体を確認する。すでに夕刻を過ぎ薄暗くなっていたため、活動が活発化していて撮影には協力できなかった。
5月30日(日)
晴れ
西久保
午前8時頃、Y氏より電話があった。庭にメスグロヒョウモンがいるとのこと。カメラ片手に急いでY氏宅へ。裏庭に出ていたY氏に声をかけると「まだいるんじゃない」とうれしい返事。早速表に回ってみると、アザミの花に黒っぽい蝶が見える。近づいて確認すると、まだ羽化して間もないようなメスグロヒョウモンのメスがアザミの蜜を盛んに吸っている。この辺りで初夏にこの蝶に出会うのはこれが初めてだ。逃げられないように少し距離をおいて撮影。この日以降もメスに加え、オスも飛来したようで、証拠の写真も見せていただいた。

5月22日(土)
曇り時々雨
山梨県南アルプス

今日は西久保のY氏のいとこK君を伴って南アルプスにクモマツマキの発生を確認に。このポイントへは10数年ぶりの訪問。山頂付近まで林道がきれいに舗装されているのには驚いた。
発生ポイントと思われる場所に車を止め、天候を気にしながら沢伝いに登ってはみたが、予想していたとおりの雨が落ちてきた。引き返そうかと思案しているところへ、前方からネットを持った人影が下りてきた。やはりクモツキを求めてやって来たというさいたま市のH君。10日程前この地で知合いが一頭採集したとか。そのポイントまで案内していただくが雨が落ちてきたため引き返す。しかし生息の確信が持てて一安心。その後3人で天気の回復を待つが一向に回復の兆しなく、しばし情報交換して下山する。
5月16日(日)
曇り時々雨
西久保田んぼ
小雨の降る中、西久保田んぼへミドリシジミの幼虫を観察に。発生ポイントに向かう途中、田んぼの縁を歩きながらウラゴマダラシジミの蛹をさがしていると、複数のイチモンジチョウがスイカズラの周り舞っている。天候のせいか活動は鈍く、葉に止まると撮影可能な距離に近づいてもしばらくは静止してくれた。他にはヒメキマダラセセリ、キマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメが見られた。ミドリシジミは、湿地の最上流部のハンノキで細々と発生を繰り返している。今年もその確認ができた。

5月15日(土)
晴れ
奥多摩

6歳の息子と奥多摩へ。奥多摩消防署の先を左折し、林業事務所の少し奥の渓流沿い。オナガアゲハ、スミナガシ、サカハチチョウ、コミスジが多い。アオバセセリも時折白い花にやってきていた。

4月29日(木)
晴れ
新潟県塩沢町外

ギフチョウを求めて新潟まで遠征。ゴールデンウェークの混雑を避けるため、早朝5時には自宅を出発。関越自動車道の高坂サービスエリア付近で多少混雑したが、7時30分頃には無事、塩沢町のポイントに到着できた。
気温が上昇するまでの間、辺りを散策。残雪の残る山の景色をしばし堪能して春の女神の出番を待ったが8時30分を過ぎても一向に姿を現さない。9時を回った頃には、自分より先に来ていた採集者一名も成果が上がらないようで丘の上を行ったり来たりしていたが、あきらめたのか車を走らせて行ってしまった。もう少し粘るか見切りをつけるか迷っていたいたところへ一頭目がおでまし。しかし、すぐさま林の中へ消え去る。しばらくこのポイントで粘ってみたがその後3頭を目撃したのみ。
時刻は午前10時を過ぎてしまい急いで六日町のポイントに移動。伐採後数年経過した杉の植林地。カタクリもあちこちに咲く好ポイント。ギフチョウは次々にカタクリの花にやってくる。コンビニ弁当を食べながら至福のひと時であった。

3月27日(土)
晴れ
狭山丘陵

2月の温暖な陽気に反して3月は寒さが戻ってしまった。それでも桜の開花は例年より1週間ほど早く、今がまさに春爛漫。自然と足は狭山丘陵へ向いてしまう。丘陵の小路の陽だまりではミヤマセセリの活動が始まっていた。

2月1日(日)
晴れ
西久保田んぼ

職場のクラブでEOS kiss Digitalを購入した。早速昆虫写真にも使えるか試してみたくなり、成虫のいない時期であったため、西久保田んぼへウラゴマダラシジミの卵を撮影に出かけた。湿地の周囲にはイボタが多く、成虫はそれほど見かけないが卵は結構産んである。今日もかなりの卵塊を確認し撮影した。
帰りがけに田んぼの近くの先輩Y氏の家に寄る。Y氏の庭はエノキやコナラ、また蝶の好む草花を植えているため成虫の季節には様々な蝶がやってくる。オオミドリシジミも毎年のように庭のコナラに産卵にやってくる。