山松ゆうきち の小屋

インド日記 1 <2月14、15日>

インド日記 2 <2月16日>

インド日記 3 <2月17日>

インド日記 5
  <2月19日>

インド日記 6
<2月20日>


インド、コルカ

タで漫画教室

自己紹介

宇宙人はいない

ある高名な大先生

ヴァナラシの戦い 

ロクロウと言う名のインド人 1
ロクロウと言う名のインド人2
ロクロウと言う名のインド人3
ロクロウと言う名のインド人 4

インド日記 4 

2月18

             2012、2、18 〜

シャワーを浴び、朝食後、ホテル前の車道脇を散歩。
人通りは少ないが、門の前で女学生らしき大勢がたむろして、少しずつ建物の中に入ってゆく。
何のイベントがあるのだろうか。
3メートルほど先の車道から、一段高くなった歩道を通る俺のほうを向いて、オシッコをする男が居た。
「アッチャー、ビッグサイズ」
誉めて通りすぎる。

11時、33ホテルを出る。
「デリーハート、ヒフティーン(デリーハートまで、50ルピー)」
ボーイが、オートを止めて交渉してくれた。

昨日貰ったカードを首からぶら下げて、コミックコン会場に無料で入る。
入場者は少なく、本は売れない。
時間つぶしにサインするが、売れ残ると困るので5冊でストップ。
何もする事が無いので、掛け声と言うのか、口上を書き、つたないヒンディー語にして呼びかける。

「聞いてくれ、見てくれ、聞くのも見るのもタダです。
私はヒンディー語も喋れないのに、インドに来て本を作った、
『血だるま剣法』と、『サイキールリクシャー ワーレー キ ドカーン』です。
それを描いたのが、この、『インドへ馬鹿がやって来た』 と言うとっても良い本です」

(スンナー、デークナー、スンナームフト、ディークナームフト。
マエン、ヒンディー、ボルナーナヒーン、インデアアーヤー、ブスタクバナーナー。
『チダルマケンポウ』 『サイキールリクシャー ワーレー キ ドカーン』
イエ、『スチュービッド ガイ ゴース ト インデア』 アッチャーブスタク、スンダルキターブ)

狭い通路で叫ぶと、発音がおかしいのだろう、インド人は振り向いて笑い、
若い女性は手を叩いて喜び、本を手に持って、
「アッチャー」
と答えてくれた。
前の本屋のオジさん達も、何事かと覗き込んで見に来る。
呼び込みの声が小さいとラケーシュさんに言われて、大きく発声。
俺の声に合わせて、ラケーシュさんは、
『血だるま剣法』を、『サイキール リクシャー』を、『STUPID GUY Gost to India』の本を高くかかげて皆に見せる。
人は通路に一杯になり、本が売れ出すとサインが追いつかない。

コルカタで漫画ワークショップをやった時。
日本に住む、ラノジットさんが通訳をやってくれた。
俺がつたないヒンディー語で、身振り手振りを加え何度も繰り返して話すのと大違いで、
何不自由なくスラスラと漫画教室は進み滞りなく終わった。
今回のコミックコンも、できれば通訳が欲しいと頼み、
今日から通訳が来る事を、ラケーシュさんから告げられて安心していた。

サインで忙しい中、前に立ち横に来て、近くから離れない小柄なインド人が居た。
彼が本を出したので、名前を紙に綴ってもらいサインしたら、
「私は本は買いません」
たどたどしい日本語で答えた。
「えっ、買わないのに、なんで本を出して紙に名前を書いたの?」
サインしちゃったじゃないの。
「私は通訳です」
「え、、通訳なの、、」
通訳なら通訳って言ってよ。
それにしても、仕草と言葉のタイミングがおかしいでしょ。
何となく不安。
「イエ、ブスタク、サインミス」
奥さんに言って、紙袋に入れて台の脇に置く。

本の販売は波があり、売れなくなると、サイン本はむなしく4冊も5冊も溜まる。
4時頃、ラケーシュさんがサインを止めろと言って、本を台の下にしまう。
「キャー(何故)?」
聞くと、今日は5時でアント(終わり)との答え。
5時に奥さんが何処へ行ったのか居なくなったので、俺も6時に帰ると告げるが、
6時になっても、ラケーシュさんはいっこうに帰り支度をしない、
「ドカーン、アント、キトネーバジェ(店が、終わるのは、何時か)?」
と聞くと、
「アートバジェ(8時)」
どうやら終わりは奥さんだけだったらしい。
言葉の問題もあって、何がどうなっているのかはっきりとは解からない。
何故、『インド馬鹿』の英語版を、サインをするなと言ったのか意味不明。
30か40冊ぐらいサインしただろうか、本が無いのでは俺が居ても意味が無い。
6時にワーパス(帰る)させてもらった。

一番近いマーケットを聞くと、ダスミナト(10分)も歩けばバザールへ行けるとの事で、
デリーハートを出て右に曲がり、10分以上歩くと、結構な勾配のある斜面に突き当たり、
上には大きな道路が交差してしていて、沢山の車が走りとても渡れたものではない。
しかも道路の向こう側に、バザールらしきものは見受けられない。
道行く人に、バザールは何処にあるのか聞くと、来た道を戻ってバスに乗って行けと言う。
仕方なく、元のデリーハートの入口近くに戻って乗車。
三つ目のバス停が、○○バザール。

果たしてここはバザールなのだろうか?
広い道路沿いに、店がポツリポツリと出ている。
道路の拡張工事で、バザールは何処かへ行ってしまったようにも思える。
10ルピーで買えたパンツは30ルピー。
15かか20ルピーのシャツは70ルピーにもなっていた。
以前ならしつこく値下げ交渉をしたが、別の店でも同じ値だったので表示値で買う。
食べ物屋も少なく、10ルピーだった卵を挟んだサンドイッチも、20ルピーになっていた。
ウスタラー(カミソリ)を捜して歩き回り
オートを捕まえて、ダリアガンジー、メインバザールへ120ルピーで行ってもらう。

髭を生やした太ったドライバーに、ここがダリアガンジーだ、メインバザール カハーン(どこだ)と言われ、
何だよメインバザールも知らないで来たのかよ。
しょうがないインド人だ。
「メインストリート、シダー(まっすぐ)」
前を指差し、バタバタ、ノロノロとオートを進めてもらうが、似てはいるが、覚えのある町並みではない。
ドライバーは、カハーン、カハーン(何処だ、何処だ)とうるさい。
すれ違うオートに、メインバザール カハーン (何処だ)と声をかけても首を振って行ってしまう。
横を走るオートに聞くと、
「ダリアガンジー、メインバザール、ナヒーン」
ダリアガンジーに、メインバザールは無いと意外な事を言われた。
「アープ、ダリアガンジー、ナヒーン。パハールガンジー、メインバザール」
ドライバーは俺の間違いを指摘する。
「あっ、そうだ、ダリアじゃなく、パハールガンジーだ」
パハールガンジー、ジャーナーハエ(パハールガンジーへ行ってくれ)と言うと、
髭ドライバーは車を止め、後ろを向いて大きな声で早く降りろと怒り出した。
「アープカ、バホットアッチャー、ドライバー(貴方は、とっても良い、運転手)」
「アア、マエン、アッチャー、ドライバー (ああ、私は、良い運転手)」
つぶやく運転手に紙を渡し、
「パハールガンジー、ジャーナーハエ、キトネーパエサー(パハールガンジーまで行って、幾ら)?」
彼は140+100と書いた。
「え?120ルピーで来たんじゃなかったの?いつ140ルピーになったのよ」
俺はサブ(全部)で200と書く。
「キスカ、バホットドール(とても遠い)」
運転手は身振り手振り、両手を天にかかげて大声で怒鳴る。
「アープカ、バホットアッチャードライバー(貴方は、とっても良い運転手)」
と言うと黙り、
「アア、マエン、アッチャードライバー(そうだ、私は、良い運転手)」
と叉つぶやく、
俺は、ダリアガンジーとパハールガンジーが、それほどには遠くない事を知っているが、
オート代が幾らぐらいになっているのかは、以前ほどには詳しくない。
アープ、ツーフォーゼロ ルピー(貴方は240ルピー)
マエン、ツーゼロゼロルピー(私は200ルピー)
アンダル、ツーツーゼロルピー(真ん中は220ルピー)
で、220ルピーで交渉成立。

ネットカフェに入ったら、もう10時に近かった。
「ジャパニーズランゲージ、チェンジOK」
店員に、ヤフージャパンを出してもらって椅子に座る。
メールを見て、全部に返事を書かない内に11時になりフイニッシュするが、皆パソコンから離れないでにらめっこしている。
「カタムホーナー、キトネーバジェ(終わりは何時)?」
と聞くと、
「バーラーバジェ(12時)」
しまった、あと1時間打てた。

<以下19日へ続く>