山松ゆうきち の小屋

それからの

           「インドへ馬鹿がやって来た」


2012年2月15日頃

「インドへ馬鹿がやって来た」 がインドのブラフト社から、

「STUPID GUY Goes to India」 の英訳本になって発売された。

正確な発売日は解からないが、発売とインドで行われるコミックコンにあわせて、デリー、ムンバイ、コルカタに招待されて行く。


同年4月9日

(引き続き二巻目の「またまたインドへ〜」も英訳したいと同じトコからオファーが来ているのですが、いかがでしょうか。)

日本文芸社の西村さんからメールが入り、OKする。


5月16日

今度はタミール語で「インドへ馬鹿がやって来た」を出版できないかとメールが入り、

これもOKする。


4月27日

最高裁判所警備の帰り、

赤坂見附駅でラノジットさんと待ち合わせて食事をする。

話の中で、インドで漫画の出版をしている弟マナジットさんが、映画に興味があり、そっちの仕事もしていると言うので、

10年位も前になるだろうか、初めてインドに行く前に、インドを舞台に書いた「カラス」のシナリオの話しをする。

<中国、パキスタン、インド国境の紛争地カシミールのスリナガルで生まれ、両親と死別し孤児となった殺し屋シンは、頼まれた殺しに失敗し逃げ回りながら、時々、誰に教わったのかどこの国の言葉か、何と歌っているのか、何故自分はこの歌を口ずさむのか解らない。

電車の中で同じ歌を歌う乞食に出会い、俳句を習うインドの女学生が、それは日本の「カラス」と言う歌だと教えてくれて、もしや母が幼い頃教えてくれた歌はないかと思い、その女をたずねて行く>

インド版、瞼の母”の話をすると、ラノジットさんは面白いからシナリオを見たいと言われ、後日シナリオを送る。


6月14日

(先日「国際交流基金」を通じて、インドから日本の漫画ビジネスを研究している若者が、話を聞きたいと言うことで取材を受けました。因みにこのインド青年はヒンディー語を読めません。)

日本の漫画について調べている、インド人から会いたいと言うメールが、

文芸社の西村さんを通して入り、椿屋珈琲店新宿茶寮を指定され2人で会う事にする。


5月23日

何の事は無い、ここは以前編集と打ち合わせに、麻雀や競馬の待ち合わせに何度も使った喫茶店滝沢だった。

二人連れの男がこっちをチラチラ見るが、一人はタレントのブラザートムさんを小柄にしたような人で、まさかこの人がインド人、マングボーイさんだとはだとは思わなかった。

北部と言うのか、東部と言うのか、アッサム州(州都は第二次世界大戦で有名なインパール)から来たそうで、

昔読んだ三冊組みの厚い本、インパール作戦と水木しげる先生が片腕を無くしたのも、この作戦中だった事、

当時の英統治のインド政府より、日本軍が好きな住民が多々居たらしい事等を思い出しながら話す。

通訳は国際交流基金Jenesysのスタッフ正田謙さんで、長くアメリカに住んでいたらしい。

二人とも流暢な英語での会話。

西村さんは英語チョボチョボで、俺は全然ダメだが、正田さんの通訳は言葉の不自由さが無い。

「今度インドに来たら是非アッサムに寄って、漫画について話して下さい、と言っています」

「航空券さえ頂ければ、いつでもアッサムに行けます」

「食事と部屋は用意しますので、来るような事があれば連絡して下さい、と言っています」

「あははは、その時はよろしくお願いします」

アッサムは、デリーと言葉は違うが、漫画はじんわりと浸透していっているようでした。


8月14日

(第二弾の「またまたインドへ〜」では漫画以外のエッセイほかも

収録したいとインドの出版社から問い合わせが来ました)

いのうえ雅春さんの4コマを一緒に掲載したいが、対談と「ロクロウと言う名のインド人」は割愛するというので、

「ロクロウと言う名のインド人」は好きな作品なので、載せてもらえないかと返事する。

いのうえ雅春さんには、後日TELして了解を取りメールを入れる。


8月23日

トレードマーク鳥取の市村さんから、「国際漫画博」のイベントで紹介したいと、

ホームページを協力してもらっている、アダチヤさんにメールが入り転送されて来る。

ネットで調べて鳥取県立図書館に、

「インドへ馬鹿がやって来た」の英語版「STUPID GUY Goes toIndia」を必要なら送りましょうかとファックスし、返事を待って郵送する。

何だか対応がおかしいなと思っていたが、「国際漫画博」のトレードマーク鳥取と、鳥取県立図書館は別だったようだ。

えらい勘違いをしてしまった。


8月29日

黒木さんなる人から、あまり日が無い事とスポンサーを捜し中なので、まだ流動的なのですが、

9月8日、9日にインドのバンガロールで講演してくれないかとメールが入る。

「俺は喋りがとっても下手ですよ」と返事したら、絵を描きながらでいいですと言われ、

「自慢するわけではないのですが、絵はもっと下手なんです」と答える。

後日、今回は中止になった事の連絡が入る。


8月30日

次の単行本「またまたインドに〜〜」に「ロクロウと言う名のインド人」について、

ブラフト社のラケーシュさんから、英文と翻訳されたメールが来る。

("An Indian namedRokurou"

彼は、それが非常に高価になるだろうと言います。また、それは遅延が発生します。

翻訳のコストは倍になります。

我々は物語が含まれていない場合、それはOKでしょうか?)

収録されないのは残念ですが、どうぞ、本は思い通りにお作り下さいと返事する。

 

9月3日

「今度は映画化のお話です。

どうやら「インドへ〜」の英語版「STUPID GUY Goes toIndia」を読んだインド人の監督が、

映像化したいと目論んでいるらしく、、、)

と言うメールが、文芸社西村さんから来る。

「映画化が実現すれば大変嬉しい事だと思います。

必要であれば可能な限り協力させて頂きたく思いますので、

よろしくお願いします」

と返信してもらう。

(う〜〜ん、インドのボリウッドか。<違うかもしれないけれど>

最初この名を聞いたのは、

「ボリウッドのスーパーマン」だったかな?

いかにも取って付けたような名前で、

川におぼれる子どもを助けに飛び込むが、泳げなくて助けてもらうと言ったドジなスーパーマンの話だったけど、

本当に、インドにボリウッドがあるとは思っていませんでした)

とメールを書き、

「ご相談があれば私でいつでも承ります」

と書いてくれていたので、西村さんにお任せしたいとお願いする。

 

同日

2011年までインドに留学していたと言う、映画監督のお友達、本願寺派僧侶Mさんからのメールも送られて来た。

映画を取りたいという監督の名は、ムラリナイールさん。

 

9月14日

Mさんから、インド側が用意していた通訳が、日本人の通訳Fさんに代わったと連絡が入り、

西村さんからは、脚本、主演についての注文はあるかと問い合わせが来る。

(俺自体が協力できることは沢山あるように思いますが、

製作者ではないので、監督の思い通りにやって頂くのが良いかと思います。

どんな話で、どんな映画になろうがいっこうにかまいません)

と返事した。

 

9月25日

この本の映画化への承諾書が、ムラリ監督の通訳Fさんからメールが来る。

作るのは映画会社ではなく、個人のプロダクションだった事と、1億1千万円の制作費に驚く。

ふえ〜〜、大金だ。実現するかしら。


10月5日

ムラリ監督へ、シナリオのつなぎのシーンに使えるかも知れないと思い、

「空いた時間と言うか、暇が出来れば、ほとんど毎日、ヒンディー語の書き取りをやっていました。

3日に2日、あるいは4日に3日ぐらい、近くの公園で1時間ほど、散歩とジョギングをしていました。

糖尿病で、3食後に注射(薬だったかな?)を打っていました」

とメールを送る。


10月10日

ムラリ監督から、

「糖尿病対策をお伝えしたいと思います。
下記の穀物を混ぜ、粉にしてスプーンに数杯食べます。
(1)シコクビエ、(アフリカ、インドで栽培されるイネ科の一年草の雑穀。穂の形が指
に似ていることからこのように呼ばれる。ヒエと異なり、実は製粉して食べる事が多
い)
(2)ソルガム、((サトウ)モロコシ、アフリカ原産のイネ科の雑穀。実は食料、飼料、
糖みつなどの材料として用いられる)
(3)キビ、アワ
(4)トウモロコシ
できればこれを食事のお米の代用とします。
また、一晩水に浸したティースプーン一杯分のコリアンダー(香菜)の種を、朝に食べ
ると効果的です。これは私の経験から言えることです」

との返信が来る。


10月15日

[糖尿病の食事レシピありがとうございます。シコクビエ、ソルガム、コリアンダーなるものは聞いた事がありません。

妻は入手がムシキルと言っています。

今はインスリンの注射は卒業して、薬を朝晩飲んでいますが、面倒で忘れっぽいので、半分くらいしか使っていません。

幸いな事に、食後1時間以上たった血糖値は120前後、

ヘモグロビンエーワンシー(HbAc)の値は5、8で通常の人に近い値となっています]

と返信。


10月18日

(インドへ馬鹿がやって来た」ですが、この度2000部増刷となりました)

とのメールが文芸社から来る。


以上が今年の概要で現在に至る。

年初の「STUPID GUY Goes to India」以後、

映画漫画にまだ1件の成立も無い。

果たしてどうなりますでしょうか