白い花をつけた蕎麦
8月20日頃に種を蒔き、2、3日すると芽を出し始める。痩せた土地でも十分に生長し、山間部などで主に作られる。土の肥えた畑は蕎麦の丈ばかりが生長し、実が少ないように思う。 9月の半ば過ぎには花をつける。この白い花には、ヒョウモン類やセセリチョウが好んで集まる。

刈り取って乾燥させている蕎麦
10月末ごろには蕎麦の実は茶色に熟し、降霜を目安に蕎麦を刈り取って、乾燥させ実を落としやすくする。この時防鳥対策も重要。2週間ほど乾燥させた後、ビニールシートなどの上で茎を叩いて蕎麦の実を落とす。この時「くるり棒」なるを利用するが、木の棒や布団たたきなどでも代用できる。

唐箕(とおみ)
落とした実を茎などのごみと選別するため、唐箕を使う。現在は郷土資料館などでしかお目にかかれなくなってしまった代物だが、非常に効率よくゴミと実を選別でき、今でも十分利用できる。作業するのは、同じ職場の「明雄さん」ことA氏とK氏であり、野良仕事の師匠達である。

蕎麦の実
選別された実は、精米所などで粉にしてもらう。殻の付いた実は製粉すると重量で約7割程度のそば粉となる。こだわれば石臼で粉を引くことも可能なのだが。