小説

乙一メモ
乙一乙一(おつ・いち)の略歴
おついち(1978年-)福岡県生まれ。国立久留米高専卒業後、愛知県の大学に進学。神奈川に在住。
小説家、ライトノベル作家。
『夏と花火と私の死体』で17歳で集英社にてデビュー。
せつなさの達人と称され、黒乙一、白乙一とも呼ばれる所以の黒々としたストーリーと、
清々しいストーリーを書き分ける。
また、あとがきの独特さも一部では人気がある。
同年代の滝本竜彦、佐藤友哉、西尾維新とも交流がある。


夏と花火と私の死体『夏と花火と私の死体』(集英社文庫)
 村の森の奥まった所に、一本の木がある。そこは、わたしと弥生ちゃんと、弥生ちゃんのおにいさんの健くんの、三人だけの秘密の基地。いつものように、弥生ちゃんと木に登る。いつものように、村を眺めながらお話をする。と、その時…!次の瞬間、枝から滑り落ちていくわたしの体。…そして、わたしは死体になった!!それは九歳の夏の日の夕暮れのこと。弱冠十七歳が生み出した、異色のホラー小説!!第6回ジャンプ小説・NF大賞受賞。
 ほかに『死にぞこないの青 』『天帝妖狐』『ZOO 』等の作品がある。

天帝妖狐『天帝妖狐 』(集英社文庫)
 とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が…。表題作ほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。ホラー界の大型新人・乙一待望の第二作品集。

平面いぬ。『平面いぬ。 』(集英社文庫)
「わたしは腕に犬を飼っている―」ちょっとした気まぐれから、謎の中国人彫師に彫ってもらった犬の刺青。「ポッキー」と名づけたその刺青がある日突然、動き出し…。肌に棲む犬と少女の不思議な共同生活を描く表題作ほか、その目を見た者を、石に変えてしまうという魔物の伝承を巡る怪異譚「石ノ目」など、天才・乙一のファンタジー・ホラー四編を収録する傑作短編集。

失踪HOLIDAY『失踪HOLIDAY 』 (角川スニーカー文庫)
 14歳の冬休み、わたしはいなくなった―。大金持ちのひとり娘ナオはママハハとの大喧嘩のすえ、衝動的に家出!その失踪先は…となりの建物!!こっそりと家族の大騒ぎを監視していたナオだったが、事態は思わぬ方向に転がって…!?心からやすらげる場所を求める果敢で無敵な女の子の物語。その他うまく生きられない「僕」とやさしい幽霊の切ない一瞬、「しあわせは子猫のかたち」を収録。きみが抱える痛みに、そっと触れます。

君にしか聞こえない『君にしか聞こえない 』(角川スニーカー文庫)
 私にはケイタイがない。友達が、いないから。でも本当は憧れてる。いつも友達とつながっている、幸福なクラスメイトたちに。「私はひとりぼっちなんだ」と確信する冬の日、とりとめなく空想をめぐらせていた、その時。美しい音が私の心に流れだした。それは世界のどこかで、私と同じさみしさを抱える少年からのSOSだった…。(「Calling You」)誰にもある一瞬の切実な想いを鮮やかに切りとる"切なさの達人"乙一。表題作のほか、2編を収録した珠玉の短編集。

さみしさの周波数『さみしさの周波数 』(角川スニーカー文庫)
「お前ら、いつか結婚するぜ」そんな未来を予言されたのは小学生のころ。それきり僕は彼女と眼を合わせることができなくなった。しかし、やりたいことが見つからず、高校を出ても迷走するばかりの僕にとって、彼女を思う時間だけが灯火になった…“未来予報”。ちょっとした金を盗むため、旅館の壁に穴を開けて手を入れた男は、とんでもないものを掴んでしまう“手を握る泥棒の物語”。他2篇を収録した、短編の名手・乙一の傑作集。

暗黒童話『暗黒童話 』(集英社文庫)
突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。それは、眼が見てきた風景の「記憶」だった…。私は、その眼球の記憶に導かれて、提供者が生前に住んでいた町をめざして旅に出る。悪夢のような事件が待ちかまえていることも知らずに…。乙一の長編ホラー小説がついに文庫化。

死にぞこないの青『死にぞこないの青 』(集英社文庫)
 飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。先生は、他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても、全部マサオのせいにするようになった。クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、彼の前に「死にぞこない」の男の子が現れた。ホラー界の俊英が放つ、書き下ろし長編小説。

暗いところで待ち合わせ『暗いところで待ち合わせ 』 (幻冬舎文庫)
 内容(「BOOK」データベースより) 視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった―。書き下ろし小説。 孤独感を抱えたもの同士の結びつきが、救われる。 

GOTH『GOTH 』 (角川書店)
 森野が拾ってきたのは、連続殺人鬼の日記だった。学校の図書館で僕らは、次の土曜日の午後、まだ発見されていない被害者の死体を見物にいくことを決めた……。話題騒然の若き天才乙一、初の単行本がここに登場!

 
ZOO『ZOO』 (集英社)
 毎日届く恋人の腐乱死体の写真。彼女を殺したのは誰か? 「犯人探し」に奔走する男を描く表題作など、書き下ろし新作を含む10編を収録した短編集。『小説すばる』などに掲載された作品をまとめる。

 
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