小説

宮沢賢治メモ
宮沢賢治宮沢賢治(みやざわ・けんじ)の略歴
 「雨ニモマケズ」の詩や、童話「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」などで知られる宮沢賢治(みやざわけんじ)は明治29年に花巻市に生まれました。厳しい父の元を離れて盛岡中学校(現在の県立盛岡第一高等学校)に入学し、 盛岡高等農林学校(現在の岩手大学農学部)で地質学、土壌学等を学びました。この13歳から22歳にいたる盛岡での青春時代は、その後の賢治の活動の土台になったといわれています。郷里の花巻に戻って教師となり、やがて辞職して「羅須地人協会(らすちじんきょうかい)」を設立、農民への指導に奔走しましたが、病に倒れ37歳で永眠しました。「世界ぜんたいが幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」というのが賢治の理想でした。「これからの宗教は芸術です。これからの芸術は宗教です」と友人に書き送った賢治は、生涯をこの精神で貫き実践しようとしました。賢治は詩人、童話作家、音楽家、哲学者、宗教家、農民とさまざまな顔をもっていました。ジャンルを超えた知識と法華経思想、自ら行った昆虫や鉱物の採集、30回を超える岩手山登山などから得られた詩想は、独自の透明な宇宙を創りあげ、死後70年近く年を経た今も、賢治の作品は年代や国籍をこえて広く読みつがれ、近年ますます愛好者がふえつつあります。

新編銀河鉄道の夜『新編銀河鉄道の夜』
「双子の星」「よだかの星」「カイロ団長」「黄いろのトマト」「ひのきとひなげし」「シグナルとシグナレス」「マリヴロンと少女」「オツベルと象」「猫の事務所」「北守将軍と三人兄弟の医者」「銀河鉄道の夜」「セロ弾きのゴーシュ」「饑餓陣営」「ビジテリアン大祭」(天沢退二郎)

新編風の又三郎『新編風の又三郎』
「やまなし」「貝の火」「蜘蛛となめくじと狸」「ツェねずみ」「クンねずみ」「蛙のゴム靴」「二十六夜」「雁の童子」「十月の末」「フランドン農学校の豚」「虔十公園林」「谷」「鳥をとるやなぎ」「祭りの晩」「グスコーブドリの伝記」「風の又三郎」(天沢退二郎)

注文の多い料理店イーハトヴ童話『注文の多い料理店』(全)
「序」「どんぐりと山猫」「狼森と笊森、盗森」「注文の多い料理店」「烏の北斗七星」「水仙月の四日」「山男の四月」「かしわばやしの夜」「月夜のでんしんばしら」「鹿踊りのはじまり」『雪渡り』『ざしき童子のはなし』『さるのこしかけ』『気のいい火山弾』『ひかりの素足』『茨海小学校』『おきなぐさ』『土神ときつね』『楢ノ木大学士の野宿』『なめとこ山の熊』(天沢退二郎)
 これらのちいさなものがたりの幾きれかが、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません−−生前唯一の童話集『注文の多い料理店』全編と、「雪渡り」「茨海小学校」「なめとこ山の熊」など、地方色の豊かな童話19編を収録。賢治が愛してやまなかったドリームランドとしての日本岩手県≠フ、闊達で果敢な住人たちとまとめて出会える一巻。

新編宮沢賢治詩集『新編宮沢賢治詩集』
 宮沢賢治の詩は、その圧倒的に豊富なイメージと斬新な語彙で、人々に新鮮な驚異を与えてきた。三十七年を多彩に生き急いだ彼は、常に自己の内奥に修羅を見据える。その熱いモノロオグは、山野を跋渉し森羅万象と交響して生起した心象のスケッチから生命を得、たゆまぬ推敲・改作をへて眼前の形に昇華されたのだ。賢治の詩の世界のエッセンスとして慎重に抽出された132篇を収録。

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