なにも『楽しみ』がないなんて、つまらないじゃない…?
〜プロローグ〜
毎日毎日、同じコトの繰り返し。
「アリス〜アリスったらぁ!!」
遠くで姉さんが叫んでいるのが聞こえる。
イヤイヤながら私は返事を返した。
「はぁい、姉さん。今度は何?」
「『今度は何?』じゃナイでしょ?!今日はピアノのレッスンよ!早く行きなさい」
「わかってるってバ」
そんなお決まりの返事をして、私はカバンを投げやりに取ると
バタバタと家を出て行った。
「はぁぁぁぁ………」
深いため息を吐く。
本当は、レッスンになんて行きたくない。
小さい頃からやっていたから…ダラダラ続けているだけで。
「あぁ…もう、何もかも捨てて、自由な世界にいけたらいいのにな…。
そう!あのおとぎ話の世界みたいな!」
―― 思わず自嘲してしまう。
でも、本当にそんな世界があったなら。
私は望んでその世界へ行くわ。…だって………。
―― 何も『楽しみ』がないなんてつまらないじゃない…?――
次の瞬間、私を一瞬にして眩い光が包み込んだ。
「なっ…!何ぃ?!」
焦ったのもつかの間、私はどんどん光に吸い込まれていった。
気がついたらソコは見た事もない場所だった。
ただ目の前には、広い草原が広がっていて。
ボーっと立ち尽くしていると、背後から少し高い青年の声が聞こえた。
「やった!アリスの呼び出しに成功したよー!!」
その声にどこか惹きつけられたような気がして…私はゆっくりと振り返った。