上 皇 陛 下 上 皇 后 両 陛 下 御 台 覧

昭和55年12月2日 埼玉県立民俗文化センター
埼玉県行田市稲荷山古墳から鉄剣が発見されたことを機に、皇太子、妃両殿下
「上皇陛下、上皇后両陛下」、ご視察のため、埼玉県立民俗文化セン
ターに行幸啓になり、その時光栄にも高倉祇園太鼓、祇園ばやしが御照覧の栄
に浴しました。始め簡単な歴史由来を申し上げ、十分間の時間を精魂こめて、持
てる技のすべてを演出し無我夢中で終わりました。両殿下ご帰還に際し、廊下右
側に埼玉県知事、国会議員等の関係者、左側に岩槻人形師、私たち高倉郷土芸
能保存会の出演者が整列して、お見送りを申し上げる栄誉を賜り、一同謹んで頭
を垂れて居りました。両殿下がお静かにお出ましになり、私達の前にお進みにな
られ、上皇殿下から、「高倉祇園太鼓の方ですね。大変立派でした。これから
も励んでください。」と有難いお言葉を賜り、胸一杯になり感激いたしました。
尚、上皇后殿下からも、「高倉の天王様ですか。」(はい)
「祇園太鼓ですか。」(はい)
「笛を吹かれたのはあなたですね。」(はい)
「小さい太鼓はあなたですね。」(はい)
「あの大きい太鼓を打つのは大変ですね。」(はい)
「あのきれいな花は何というのですか。」(はい、笠鉾です)
緊張して、咄嗟のご質問に「振万燈」と「笠鉾」とを間違えてお答え申し上げて仕
舞い、全身恐縮の余り気を失った思いでした。「これからも大切にしてください。」
と心温かいお言葉に、只々感泣して自然に頭が下がりました。この光栄と感激を
胸に一同今後の精進に新しい決意を強くして、埼玉県民俗文化センターをあとに
帰路につきました。 なお、この上覧を記念して、入間市長水村仁平様の揮毫に
より、高倉公民館の一と隅に、記念碑を建立させていただきました。

昭和55年12月2日(特別出演日)
皇太子、妃両殿下「上皇、上皇后両陛下」埼玉県立民俗文化センター
行幸啓特別出演ご台覧の光栄に浴しご賞辞賜う。
また、埼玉県知事 畑 和 氏より下記の書を賜る。

平成6年12月23日作成 高倉郷土芸能保存会 会 長 山 畑 仙 吉 記