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《いま、なによんでる・・・?》

おすすめの一冊!あたらしい図鑑

あすなろ日記

徒然草2011/3/31
徒然草 (まんがで読破) 兼好法師 (バラエティアートワークス)
京の都を一望する双ヶ岡の庵で遁世生活を送る兼好法師。宮廷に出仕していた日々や遁世後の身の周りに起こった出来事を思い返し、人の世の無常、人生の価値を見つめ直す。その独自の感性と、価値観より導き出された、世を生きぬくための知恵の記録。『枕草子』、『方丈記』と並ぶ、日本三大随筆のひとつを漫画化。 3月11日の大災害のあと、私達は自らの命の意味を考えざるを得ない。兼好法師は、次のように言っている。
「・・・これだけ人がいて、人の死なない日は無い。毎日必ずどこかで誰かが死んでいく。だがどれだけ頑強な者も、元気な若者も、いつ死期が迫っているのかは、予測できない。そんななかで今日まで生きてこられた私は、なんと幸運であることか。
だから無駄な時間を過ごすのではなく、1日1日を大切に生きることが大事なのだ。」 あすなろ物語2011/2/21
あすなろ物語 (新潮文庫) 井上 靖
梶鮎太は祖母の手一つで育てられてきた十二才の少年であった 。或る日、祖母の妹の子である冴子が鮎太の前に現われた。
明日は、檜になろう。明日は檜になろう。と考え、結局は檜にはなれない あすなろの木の説話を背景に 梶鮎太の少年期から壮年期までの六つの物語を織り込んだ 小説。 人は人との出会いで成長していく。鮎太が勉強しようという意志を持ったのは、偶然出会った青年から、「克己(こっき=自分の感情・欲望・邪念などにうちかつこと。)」 という言葉を教えられたからだった。人と出会い、また言葉と出会い、人生の転機を得て成長していく。また、時代と出会い、一人前の人間となっていく。
さまざまな出会いは、また、楽しいことばかりではないのは当たり前と思うべきなのだろう。 風の又三郎2011/1/22
新編風の又三郎(新潮文庫) 宮沢賢治
「やまなし」「貝の火」「蜘蛛となめくじと狸」「ツェねずみ」「クンねずみ」「蛙のゴム靴」「二十六夜」「雁の童子」「十月の末」「フランドン農学校の豚」「虔十公園林」「谷」「鳥をとるやなぎ」「祭りの晩」「グスコーブドリの伝記」「風の又三郎」 生き物とは命ある全てのもの。動物も植物も、人間だってその中のたったひとつにすぎない。全ての命をいつくしむ心が、宮沢賢治の作品の中に感じられないだろうか。今を生きる私たちが見失いがちなものを、賢治の作品は思い出させてくれるのではないだろうか。私は時々賢治のところに行きたくなるのです。
「小説」のページに「宮沢賢治メモ」があります。賢治の作品は私には宝物に思えます。 風の歌を聴け2011/1/10
風の歌を聴け(講談社文庫) 村上 春樹
1970年の夏、海辺の街に帰省した〈僕〉は、友人の〈鼠〉とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、〈僕〉の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。 2011年私の最初の読書は村上春樹からだった。村上春樹と同じ1949年生まれ、1968年19歳の春、私は早稲田大学の学生となっていた。「〈僕〉の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片」小説と重ねながら、自らの人生を振り返ってみました。
映画にもなっているので見てみたいと思う。村上作品だと、「ノルウェイの森」も映画化されている。いつか見たいと思う。 マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]2010/10/31
マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版] (ダイヤモンド社) P.F.ドラッカー/上田惇生編訳
組織として成果をあげるための物事の見方、考え方、行動のエッセンスを解説しています。エッセンシャル版というのは、ドラッカーの大著「マネジメント」(1400ページ)を一冊に凝縮したということ。ドラッカー経営学の集大成を一冊にまとめた本です。

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を読んだ後に読むと、親しみやすく読むことができました。教員時代だったら学級経営などの参考にもなっていただろうと思います。図書室の仕事も、組織として経営するという取り組み方を考えると、もっと発展させることができるのではないかと考えさせられました。 もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら2010/10/24
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら (ダイヤモンド社) 岩崎 夏海
公立高校野球部のマネージャーみなみは、ふとしたことでドラッカーの経営書『マネジメント』に出会います。はじめは難しさにとまどうのですが、野球部を強くするのにドラッカーが役立つことに気付きます。みなみと親友の夕紀、そして野球部の仲間たちが、ドラッカーの教えをもとに力を合わせて甲子園を目指す青春物語。家庭、学校、会社、NPO…ひとがあつまっているすべての組織で役立つ本。

ドラッカーの『マネジメント』とは、会社を経営する人にとっては、古典といっていいほど読み続けられている本です。学校教師だった私自身にとっては、全く縁もゆかりも無い本だと思い込み無関心でした。しかし、この本は「もしドラ」と略され、話題となっていたので読んでみました。おもしろい。読みやすい。あっという間に読みきっていました。ドラッカーの『マネジメント』も読みたいと思ってすぐに買ってしまいました。「すべての組織で役立つ本」だと思います。クラス作りにも役立ちそうです。現役教師時代にめぐり合いたかった本だと思いました。

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竜馬がゆく〈2〉2010/07/15
竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫) 司馬 遼太郎
黒船の出現以来、猛然と湧き上ってきた勤王・攘夷の勢力と、巻き返しを図る幕府との抗争は次第に激化してきた。先進の薩摩、長州に遅れまいと、固陋な土佐藩でクーデターを起し、藩ぐるみ勤王化して天下へ押し出そうとする武市半平太のやり方に、限界を感じた坂本竜馬は、さらに大きな飛躍を求めて、ついに脱藩を決意した。
前半は、奥手だった幼年期から、剣術修行、脱藩、勝海舟との出会いと海軍塾設立までを描く

竜馬は幼年期学問所の教師から物覚えが悪い・愚か者だと叱られ続け、自分の知能に対して劣等感を植え付けられた。学問はだめだから剣術で身を立てるしかないと剣術に夢中になった。しかし剣術では、武力では天下を動かす大きなことをなすことはできないと、幕末の動乱の中自分の生きるべき道を探そうと苦悩する。命を投げ出す覚悟はできている。しかしどうすることがその命を世の中のために役立たせることができるのか。
語りつくせない竜馬の魅力が、この司馬遼太郎の「竜馬が行く(2)」のなかだけでも見出すことができる。時間があれば1巻から8巻まで読んでほしいが、中学生にはこの2巻だけでも読んでほしいと勧めたい。 歯車 他2篇2010/06/05
歯車 他2篇 (岩波文庫) 芥川 龍之介
芥川龍之介最晩年の代表作3篇。「玄鶴山房」の暗澹たる世界は作者の見たもっともいつわりのないすがたであり、「歯車」には自らの死を決意した人の死を待つ日々の心情が端的に反映されている。「或阿呆の一生」は芥川という一人の人間が自らの一生に下した総決算といってよい。(解説=中村真一郎)

生きるとは死に向かっていくことである。自らの死に向かい合って、それに向かっていかに生きるか?死を意識してこそ、今の生の大切さを痛感することになる。<br>芥川は自らの命を自ら絶った。自らの生を自らの手で完結せざるを得なかったのだろうか。 天地明察2010/05/26
天地明察(角川書店) 冲方 丁
江戸時代、前代未聞のベンチャー事業に生涯を賭けた男がいた。ミッションは「日本独自の暦」を作ること―。碁打ちにして数学者・渋川春海の二十年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋!早くも読書界沸騰!俊英にして鬼才がおくる新潮流歴史ロマン。

何事かを成し遂げること―。まず、志を持つこと。「神が与えた」としか言いようのない、エネルギーが生きる道筋を指し示し、迷いや戸惑いを打ち破って突き動かすことがあるのかもしれない。しかし、「神」は選ぶのだろう。それを成し遂げうる人物を。ひたすらに、自分自身を生きよ。そうした自分にふさわしい道がきっとあるだろう。一人一人、自分が成し遂げうるものがきっとあるはずだ。自分らしく生きよ!! 1Q84 BOOK 32010/05/15
1Q84 BOOK 3(新潮社)村上 春樹
そこは世界にただひとつの完結した場所だった。
どこまでも孤立しながら、孤独に染まることのない場所だった。

青豆と天吾との物語が完結した。孤立し孤独だった二人はようやく結びつくことができた。出会い、離れ離れにそれぞれに生き、求め合う気持ちがお互いに高まり、再会し、結ばれる。幸運な物語となった。印象に強く残るのは、牛河の物語だ。悲しい。喜びと悲しさはやはり裏表なのか。 さぶ2010/04/26
さぶ (時代小説文庫) - 文庫 (2010/4)山本 周五郎
才走った性格と高すぎるプライドが災いして人足寄場に送られてしまう栄二。鈍いところはあるがどこまでもまっすぐなさぶ、ふたりの友情を軸に、人の抱えもつ強さと弱さ、見返りを求めない人と人との結びつきを描き、人間の究極のすがたを求め続けた作家・山本周五郎の集大成。

友だちのこと、家族のこと、好きな人のこと、今の私達は、どれだけ考えることができるだろうか。人はそれぞれ弱さをかかえもつ。人と人はどれだけ支えあうことができるのだろうか。生きるとは、支えあうことなしにはないのかもしれない。 しゃばけ2010/04/03
しゃばけ (新潮文庫) - 文庫 (2004/3) 畠中 恵
江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに。若だんなの周囲は、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのだ。その矢先、犯人の刃が一太郎を襲う…。愉快で不思議な大江戸人情推理帖。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。

時代小説が面白い。年のせいかもしれないが、中学生にも勧めたい。江戸の世界にタイムスリップしてみる気はないかな。藤沢周平や山本周五郎など江戸時代への案内人は魅力に溢れている。 八朔の雪―みをつくし料理帖2010/03/23
八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 時代小説文庫) 高田 郁
2009年度「最高に面白い本大賞!」などを受賞。料理だけが自分の幸せへの道筋と定めた主人公の女性の奮闘と、それを囲む人々の人情がほろりとさせる。

江戸時代の人々の暮らしが懐かしさを滲ませる作品。「花散らしの雨」「想い雲」と続編も出ている。 ディケンズ短篇集2010/03/06
ディケンズ短篇集(岩波文庫)チャールズ・ディケンズ
ユーモアと明るい笑いの作家ディケンズ(1812〜70)の世界も短篇に目を転ずると相貌を一変する。自らの血に流れる狂気を自覚した男が妻を殺害するにいたる「狂人の手記」、実直な鉄道員が幽霊の発する警告に脅える「信号手」など、人間の暗い異常な真理を追究した作品を通信に、幻想的作風の短篇も加え11篇を収録する。(岩波文庫の表紙より)

「クリスマス・キャロル」のディケンズの短編集だ。村上春樹、芥川龍之介などと読み比べてみると興味深い。 めくらやなぎと眠る女2010/02/22
めくらやなぎと眠る女(新潮社)村上 春樹
ニューヨークで編集された英語版と同じ構成の自選24の短篇コレクション。


「カンガルー日和」の中の作品を改めて読んだ。「都会の片隅のささやかなメルヘン」が心にしみた。 ゴールデンスランバー2010/02/12
ゴールデンスランバー(新潮社)伊坂幸太郎
青柳雅春は、何年かぶりに呼び出された友人に「おまえは、陥れられている。今も、その最中だ」「金田はパレード中に暗殺される」「逃げろ!オズワルドにされるぞ」と、必死な様子で告げられる。 青柳雅春は、とにかく今生じつつある危険から逃げるしかなくなった!

首相暗殺の濡れ衣を着せられた男は、国家的陰謀から逃げ切れるのか?
映画も見たい!堺雅人に期待したい! 悪人2010/01/22
悪人(朝日新聞社)吉田 修一
土木作業員の清水祐一、紳士服売り場の販売員馬込光代、保険外交員の石橋佳乃。かれらは九州の都会的でない地方で育ち、目立たない中学、高校生活をへて、平凡な社会人となり、たいした夢もなく、胸をときめかせる出会いもないままに、ただ若いというだけの暮らしを繰り返していた。そのかれらが殺人犯となり、被害者となり、殺人犯にかけがえのない思いを寄せてしまう女になってしまう。そして彼らの家族も悲しみ、苦しみ、追い込まれていく中で、踏みとどまり生き抜こうとしていく。

「本気で愛せる男なんて・・・」「あの人は悪人やったんですよね?・・・・ねぇ?・・・・そうなんですよねぇ?」
こんなつぶやきに、どのような答えがあるのだろうか?

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羊をめぐる冒険2010/01/10
羊をめぐる冒険(講談社)村上 春樹
美しい耳の彼女と共に、星形の斑紋を背中に持っているという1頭の羊と〈鼠〉の行方を追って、北海道奥地の牧場にたどりついた僕を、恐ろしい事実が待ち受けていた。1982年秋、僕たちの旅は終わる。すべてを失った僕の、ラスト・アドベンチャー。村上春樹の青春3部作完結編。野間文芸新人賞受賞作。

2010年読書初めは村上春樹になった。
村上ワールドの居心地をしばらくは味わってみたいと思っている。 のぼうの城2009/11/15
のぼうの城(小学館)和田 竜
時は乱世。天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。武州・忍城。周囲を湖で囲まれ、「浮城」と呼ばれていた。城主・成田長親は、領民から「のぼう様」と呼ばれ、泰然としている男。智も仁も勇もないが、しかし、誰も及ばぬ「人気」があった―。

人間の能力は、点数や数字でははかれないということが、改めて実感させられます。
勉強もスポーツでもパッとしないが、「人気」がある―
そんな人が、他のだれにもできない大きな仕事を成し遂げることがあるのですね。 1Q84 BOOK 22009/11/01
1Q84 BOOK 2(新潮社)村上 春樹
予約の情報を知り、是非読もうと思った。
マスコミでの取り上げ方も、期待を煽り上げた。
やがて書店での売り切れ報道、また、山積み展示。
ブームは確実に起こっていた。
いつか読もうと思い、その前に読んでおこうと、『海辺のカフカ』『ノルウェイの森』『ねじまきクロニクル』を読んだ。
やっと、ブームは静まり始めた。
満を持して『1Q84』を手に取り開いた。

私は1949年生まれ、村上春樹氏と同世代だ。1968〜72年、学園紛争の中を潜り抜けてきた。
「文学は現実からの逃避だ。」と激しく思っていた。
1984年は社会生活に踏み込んで、10年目。子供も二人儲けていた。
家庭生活に、目の前の仕事に、私自身逃避していた。
「文学は現実からの逃避だ。」とそれでもまだ思っていた。
『海辺のカフカ』『ノルウェイの森』『ねじまきクロニクル』を読んで、私は後悔した。
出会う時期が遅かったと、60歳という定年の年に出会ったからといって、この成果をもう還元できる機会はほとんどない。それらを読みながら、心を震わされながら、自分の少年期、青年期、壮年期を振り返ることができた。すばらしい時間を費やすことができたと思う。
「文学は現実への誘いだ。」と悔恨しつつ今そう思う。

「説明しなくてはわからないということは、説明してもわからないということだ」
この言葉を胸に刻んで、村上春樹氏の今後の作品にも期待したい。 1Q84 BOOK 12009/10/17
1Q84 BOOK 1(新潮社)村上 春樹
1949年にジョージ・オーウェルは、近未来小説としての『1984』を刊行した。
そして2009年、『1Q84』は逆の方向から1984年を描いた近過去小説である。
そこに描かれているのは「こうであったかもしれない」世界なのだ。
私たちが生きている現在が、「そうではなかったかもしれない」世界であるのと、ちょうど同じように。

心から一歩も外に出ないものごとは、この世界にはない。心から外に出ないものごとは、そこに別の世界を作り上げていく。 あたらしい図鑑2009/08/28
あたらしい図鑑 (ゴブリン書房) 長薗 安浩
13歳の少年のひと夏のできごと。
一人暮らしの老詩人と出会い、野球少年で塗りつぶされていた生活からは踏みこむことのできなかった別の世界で貴重な体験をしていく。
勉強、スポーツなど以外にも少年期を彩ることができる環境は、見過ごしたり気付かずにやり過ごしてしまうにはもったいないことが、さまざまに用意されているのではないかと、気付かされた。

子供たちの生活が、家庭、学校、塾に押し込まれている情況の味気なさを改めて痛感させられました。
少年たちよ、広い世界に目覚めよ!
という気持ちで、子供たちにこの本を薦めたいと思います。

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告白2009/08/23
告白 (双葉社) 湊 かなえ
2009年本屋大賞第一位受賞作品。
いきなり中学校の1学期終了式後の学活での担任の話から始まります。
「私は今学期限りで・・・退職します。・・・理由は一人娘愛美が死んだ、というだけではありません。・・・愛美は・・・このクラスの生徒に殺されたのです。・・・」

一気に読まされてしまいました。
ミステリーであり、教師、生徒、親子、家庭、教育、育児、夫婦・・・さまざまな切り口で人々の生き様が描かれています。

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官僚たちの夏2009/08/20
官僚たちの夏 (新潮文庫) 城山 三郎
主人公の“ミスター通産省”風越が期待した鮎川は急逝してしまう。さらに庭野も病に倒れる。
暑(熱)かった夏は、完全に終わった。そして、もう・・・、次はこない。時が、人も、時代も、置き去りにしていく。
天下国家も考えていないわけじゃないけど、テニスもゴルフも・・・自分の人生も楽しまなくちゃあ、という片山たちの時代になっていく。


そして今、国家も国民もないがしろにしている、としか思えない姿ばかりを官僚たちはさらしているばかりだ。
雪がちらつく中を、風越は庭野が運び込まれた病院に向かう。霞ヶ関の官庁街、ビルの窓の明かりは相変わらず遅くまで灯り続けている・・・のだが・・・。 容疑者Xの献身2009/08/08
容疑者Xの献身 (文春文庫) 東野 圭吾
天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。

映画「プルーフ・オブ・マイライフ」をTVで見たが、これにも天才数学者が登場する。数学は苦手だが、論理的思考に没頭する喜びは想像できる。
帰りの電車で読む本がなくなったので、図書室にあった「走れ!メロス」を借りた。久しぶりの太宰、リズミカルな迫力ある文章に没頭できた。 重力ピエロ2009/07/29
重力ピエロ (新潮文庫) 伊坂 幸太郎
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは―。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。

この小説に登場するジャズプレイヤー、ローランド・カークのCDを買った。しばらく、久しぶりにジャズを聞いた。
「ゴールデンスランバー」を読んだあとは、しばらくビートルズを聞き続けていた。 チーム・バチスタの栄光2009/07/20
チーム・バチスタの栄光(上) (下)「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 ) 海堂 尊
東城大学医学部付属病院の有能な心臓手術チームに起こった、連続術中死の謎を追う医療ミステリー。万年講師の窓際医師・田口公平と、厚生労働省からやってきた変人役人・白鳥敬輔の掛け合いが圧倒的に面白いと大評判になりました。脇を固めるキャラクターも個性派ばかり。コミカルなやりとりと、リアルな医療現場の描写は、現役医師である著者にしか描くことができません。新作を次々に発表し、人気作家としての地位を確立しつつある著者・海堂尊の原点が、このデビュー作に詰まっています。

医療現場の一端を垣間見させてくれた。
カウンセリングマインドたっぷりな会話と真実を抉り出す刃物を突きつけあうような会話、みごとだ。 ねじまき鳥クロニクル 2009/07/11
ねじまき鳥クロニクル〈第1〜3部〉 (新潮文庫) 村上 春樹
僕とクミコの家から猫が消え、世界は闇にのみ込まれてゆく。―長い年代記の始まり。
猫が消えたことは、始まりに過ぎなかった。謎の女はその奇妙な暗い部屋から、僕に向かって電話をかけつづける。「私の名前を見つけてちょうだい」。そして僕が不思議な井戸の底で見いだしたものは…。
僕は少しずつ核心に近づいている。猫は戻る、笠原メイは遠い場所から手紙を書き続ける、間宮中尉はもうひとつの秘密を打ち明ける。ねじまき鳥に導かれた謎の迷宮への旅。第3部完結編。

五月から「海辺のカフカ」「ノルウェイの森」そして「ねじまき鳥クロニクル」と村上春樹に浸った。
つぎは、いよいよ「1Q84」だ。 図書館の神様2009/05/30
図書館の神様 (マガジンハウス) 瀬尾 まいこ
アクシデントで夢をあきらめ、傷ついた心を抱え、国語教師としてある高校に赴任したヒロイン清(きよ)。彼女が学校の図書館で出会ったひとりの男の子、垣内君。どこからでも海の見える明るい高校で、瑞々しい物語が始まる…。

図書館特集というコーナーを作った。
「ぼくは落ち着きがない」「図書館戦争」「吉野北高校図書委員会」などを並べ、瑞々しい青春の舞台がここにもある・・・とアピールした。

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