10のお題

From:胡蝶の夢

奇数担当:木原  偶数担当:月華



1、の指定席



アリス様々へ
 五時限目、オレにくれませんか。
 今日の昼飯代で。ついでに、いちごミルクもヨロシク。


「…ったく、こんな紙寄こすくらいなら場所ぐらい指定しなさいよ、ばか」
「ここにいるぐらい、アリスには以心伝心だと思って〜」
「なにが以心伝心よ。しかも『ついでにいちごミルクも』ってあんた。私をパシリ扱いですか。あぁそうですか。んじゃあ今日の昼飯おごりでよろしく」
「ゲンキンなやつ〜」

PS なんだかアリスをぎゅーっとしたい気分なんですよ、今日は。

(アリス・きんぱち)





2、



「そこのお嬢さん」
声を掛けられて、メイは声の主の方に振り返る。声の主は花を一輪さしだして。
「花、いかがですか?」
メイはさしだされた一輪の花を見つめた。

(この花…似合いそうだわ……。)
この世で愛する、ただ1人のあの人に。

そう、怖くて近づきたくなくて…少し遠回りして、寄り道しただけ。
そろそろ帰らなきゃ、この気持ちの行き着く先へ…。
「この花、一輪くださる?」
そうはっきり告げると、花売りは『ありがとうございます。』と笑みを浮かべて私に言った。

貴方に似合うこの花を持って、今…帰るわ。
少し寄り道しすぎてしまったけれど、待っていてくれるよね?

(メイ)





3、木で読



「あれ、此処が発見されちゃうとは…困ったなぁ(くすくす)」

(ミント)






4、思い×片思



どんなに着飾っても
どんなに化粧をしても
あなたは私の方に振り向かない。
こんなに好きなのに
この思いは決して伝わりはしない。

そんな事わかっていたはずなのに…気がつけば、あなたの姿ばかり追っている。
あなたの気持ちばかり求めている。

「ばかばかばか…ばかぁ…。」
気持ちは沈んでいくばかり。
こんなつらい片思いなんて、捨ててしまおうと何度思ったか。
でも捨てられなくて。
どんどん好きになっていく……。

…でも私はまだ、知らないでいた。
もうひとつの片思いが、私の片思いに、既に絡まり始めていたことを。


(ハーティルト)





5、放課後のわせ



「放課後、生徒会室に招集かけたのは誰でしたっけ、会長…?」

(会長・ミント)






6、

「焦って…いるのかなぁ…?」
木洩れ日の下、ぼんやりとした思考のまま。
思った以上に、大きく響いてしまった独り言に、慌てて口を噤んで。
サワサワと揺れる木を、見上げた。

彼女は、あまりにも屈託無く笑うから。
時々、不安になる。
もしいつか、その笑顔を手放す時が来たら…自分は、素直に手を離せるのだろうか?
それが、彼女のためなのだから。彼女の望みなのだから。
このままだと………。

「ダメ…だよなぁ〜…。」
どんどん、好きになっていく。

ただ一人、途方にくれる自分を
温めるかの様に、木洩れ日は優しく包み込んでいた。

(うさぎ)





7、曲がったクタ



「おはようございます、先生。…ネクタイ曲がってますよ、先生」
「おはようハティ…あ〜いいからいいから。今行くからちょっと待ってて」

「いや、あの、でも…またチェシャ猫先生にバカにされますよ…先生(汗)」

(氷月・ハーティルト)





8、人に



「…………校長。」
「あァ〜ラファくんかぁ〜おはよぉ〜」
「『おはよぉ〜』じゃあありません!!なんですか、この部屋の状況は!」
「えーと…朝起きたら、こうなってましタ」
「嘘つくんじゃありませんッ!昨日の夜、どうせ酒盛りでもしたのでしょう?!校長室をなんだと…」
「こうでもしないとやってらんないんだよ〜僕も」
「私も、やってらんないです」
「まぁまぁ、一緒に仲良く掃除しましょうvv」
「……そうですね…とりあえず…私を一人にしてください」

一人の方が、掃除の効率がいいに決まってる。

(ラファ)





9、早朝の



…どうしよう座ろうかな…でもそれって私なんか変態みたいじゃない?でも今しかチャンスはないのよ!メイ、がんばってここはやっぱ座るしかないでしょ!いいよなんていわれてもエーーーーーイッ!

(メイ)





10、わり

山積みの書類を机にドサッと置いて。
窓の外を見やると、夏独特の入道雲が薄っすらと見える。
蝉がやたらと煩い、夏も終盤の学校。
休み明けのテストなどで忙しい生活を送っているために、夏の暑さなどは忘れがちだが
クーラーのかかっている部屋から一歩出ると、汗が滝のように流れ出してくる。

「だから夏は嫌いなんだよな…。」
誰もいない廊下に、やけに響いた呟き声。
ふぅ、とため息をつくと、思ってもいなかった声が真後ろから聞こえてきた。
「先生」
「おわぁ?!……なんだ、ハティくんか」

『何か用?』と問うと、ハティは呆れたように見上げて。
『自分で調べろって仰ったじゃあないですか』と呟いて。氷月は苦笑した。

「任務終了です。先方は動き出した模様。」
「そうかい。…じゃあそろそろだね」
ハティの報告を一通り聞くと、書類を抱えなおして歩き出す。
その背中を不安そうに見つめて、ハティもゆっくりと後をついて歩き出した。

楽しみだ。
この夏が終われば、戦いが始まる。
どうせ動き出すならば、遅いより早い方がいい。…ならば、こちらから仕掛けるまで。

「暑いなぁ…。」
返事が返ってこないと知っていても、そう呟いて。
一段と煩くなった蝉の鳴き声を聞きながら、静かに瞳を閉じた。

夏が、終わる。



(氷月・ハーティルト)