蝶の観察記録(2006年)
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西久保田んぼを主体とした狭山丘陵周辺の蝶の観察記録及び、奥多摩や山梨県などへ遠征した記録を日記風に掲載します。(西久保田んぼ周辺以外の蝶の観察記録はこちらへNew

10月15日(日)
晴れ時々曇り
西久保田んぼ

田んぼでは昨日稲刈りが行われた。今日は周辺に発生するキノコの探索に出掛ける。
晩秋のキノコの発生期には少し早いため、ナラタケやクリタケなどはまだ見かけない。唯一、ハタケシメジは少し時期遅れだが、撮影適期のものも見つかる。
田んぼのヤマザクラが花を咲かせていた。今年は梅雨明けがかなりずれ込むなど、天候不順も影響しているのだろうか。ヤマザクラの葉は紅葉を前にしてほとんど落葉している。
蝶ではヤマトシジミやキタテハなどが多く、ツマグロヒョウモンもよく見かける。今見られるツマグロはほとんど翅が無傷のものばかりで、年に3回以上発生していると思われる。帰りがけ、道路上を移動するこの蝶の終齢幼虫も見かけた。

9月18日(月)
雨のち曇り
西久保田んぼ
例年、夏季は甲信方面へ山地性の蝶を求めて出掛けることが多く、この夏も西久保田んぼ周辺の観察記録更新を怠ってしまった。この間、全く観察していなかった訳ではないが、盛夏の頃はHPに掲載するほどの記録も少ない。
9月に入り、本格的に田んぼ周辺の観察を再開する。
周辺では、相変わらずツマグロヒョウモンをよく見かける。ウマノスズクサの自生する付近で羽化したばかりのジャコウアゲハが見られ、食草には若齢から終齢までこの蝶の幼虫も見られた。笹薮周辺には、ゴイシシジミも多い。今年はクロコノマチョウの夏型が複数見られたため、ススキの葉の食痕を頼りに幼虫を探してみると、薄暗い林縁のススキから運良く3頭見つかった。
6月17日(土)
曇り時々晴れ
西久保田んぼ
今日は暫く振りの梅雨の晴れ間。
駐車場には吸水中のテングチョウが多い。早速、ハンノキが自生する上流部へ向かう。ミドリシジミはすでに発生しているが、下草などで翅を休める個体は見つからず撮影は叶わない。
田んぼの畦に植栽されたハンノキを確認することに。散策路ではツマグロヒョウモンの占有行動が見られる。こちらでも下草などに止まるミドリシジミは見られず、仕方なく樹上を叩くと、ようやく下草に降りてきたため撮影できた。
周辺のクリの花は満開を迎え、各種の蝶が吸蜜にきている。最も多いのはテングチョウ、続いてウラナミアカシジミやアカシジミ、キタテハ、イチモンジチョウ、キマダラセセリ、ダイミョウセセリなども多い。また、ミドリヒョウモンやメスグロヒョウモン、ルリシジミなども見られた。
6月4日(日)
曇り一時晴れ
西久保田んぼ
5月は天候不順で日照不足さえ心配されるところだ。今日も曇りがちの天気であるが、初夏の蝶は数多く発生している。
イボタの花にはたくさんの蝶が吸蜜にきている。最も多いのはイチモンジチョウ、他にヒメキマダラセセリやダイミョウセセリが多い。時折ジャコウアゲハやクロアゲハなどもやってくる。ウラゴマダラシジミも付近を翔ぶが中々止まらない。
雑木林で見られる初夏の蝶の代表格アカシジミウラナミアカシジミも発生していた。
5月6日(土)
晴れ
西久保田んぼ
田んぼ周辺の新緑は、日々その色合いが深さを増してきた。
初夏に発生する蝶たちの代表格ゼフィルスの幼虫は、食樹の葉が硬化する前に成長を遂げようと、食欲旺盛な期間でもある。イボタの葉にはウラゴマダラシジミが、ハンノキにはミドリシジミ、クヌギやコナラからはアカシジミやウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミなどの大きく成長した幼虫が確認できる。
成虫では、コミスジやヒメウラナミジャノメコチャバネセセリなどが姿を現し、春先には山中の開けた場所が主な活動場所であったミヤマセセリが、田んぼの畦道周辺でよく見られるようになっていた。
4月16日(日)
曇り時々晴れ
西久保田んぼ
午後になって晴れ間も見え気温も上昇してきたので、 ミヤマセセリの産卵シーンを撮影に出掛ける。
ミヤマセセリの多い萌芽更新した斜面に向かう途中、ウラゴマダラシジミの幼虫の状態を確認。かなり大きく成長している。また、アラカシの新芽から、ムラサキシジミの卵が多数見つかる。
田んぼの東側の斜面は、今年はミヤマセセリが少ないため、さらに奥の萌芽更新した斜面まで行ってみる。予想通りここにはミヤマセセリが多い。しかし見かける個体は雄ばかり。雌の発生にはまだ早いのか。そんな事はないと暫く待っていると、いきなり目前のコナラの幼木で産卵行動をとる雌を発見。慌ててカメラを向けるが、こちらの動きに反応し逃げてしまった。貴重なシャッターチャンスを逃してしまったが、この後にわかに雌の個体数が増え、無事産卵シーンの撮影ができた。
3月25日(土)
晴れ
西久保田んぼ
田んぼの景色は、枯草色から若緑色に変わりつつある。
例年に比べ春の訪れは幾分早く、ミヤマセセリルリシジミが発生していた。ミヤマセセリについては、すでに先週末にも確認している。また、成虫で越冬したキタテハ、ルリタテハ、ヒオドシチョウ、テングチョウも活発に活動している。 発芽して間もないカナムグラの若葉にはキタテハの卵も見つかった。
孵化後、約1ヶ月が経過するウラゴマダラシジミの幼虫を探すと、すでに4mm程に成長した幼虫が確認できた。
2月25日(土)
晴れ
西久保田んぼ
今日の主目的は、ベニシジミの幼虫探し。
ここを訪れる度に探してはいたが、今年はまだ見つけていない。今日は、 昨年母蝶が産卵していたギシギシの根元付近を丹念に探すが、辺り一面が食草のため効率が悪い。 ギシギシが疎らに生える場所に移動し、食痕の残る食草を頼りに探してみると、敢えなく大小2頭の幼虫を発見。暖かさにつられ、盛んに若葉を食べているようであった。
その後、ウラゴマダラシジミの卵の状態を確認すると、すでに孵化が始まっていた。
2月18日(土)
晴れ
西久保田んぼ
例年にない寒冬も、2月に入るとようやく春の陽気が感じられるようになった。先週田んぼに来たときは、テングチョウやキタテハなども見られた。今日は寒さが戻ってしまったが、田んぼの溜池には、アカガエルの卵が確認できる。
先週田んぼの東側の斜面は、雑木の幼木などを残して下草刈りが行われた。雑木林の育成には欠かすことが出来ない管理作業であるが、クヌギやコナラの不用な幼木や下枝なども伐採されたため、切り落された枝からゼフの越冬卵を探してみる沢山の卵が見つかる。一部は自宅でも飼育可能だが、相当数見つかったため、卵の付いた部分を適当な長さにつめて食樹に紐で結んでおいた。ミズイロオナガが多かったが、オオミドリの卵も見つかった。
1月3日(火)
曇り時々晴れ
西久保田んぼ
新年明けましておめでとうございます。本年よろしくお願いします。

冬季の恒例となっている平地性ゼフィルスの越冬卵の観察に出掛ける。手始めに田んぼの畦に植栽されたハンノキからミドリシジミの卵を探す。すでに昨年母蝶が産卵しているところも確認しているが、他の産卵状況を確認する。昨冬は10卵以上の卵塊も確認できたが、今日は一番大きなものでも4卵塊であり、幹よりも枝に1、2卵づつ産卵されたものが多く見つかった。
その後、他のゼフィルスの卵を探すため、萌芽更新した東側斜面に移動する。
昨年も卵を確認しているクヌギの再生木からは、運良くオオミドリシジミ、アカシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミの卵を見つけることが出来た。この木は、更新伐採した株から数本の幼木が株状に再生し、高さは4m程である。
帰りがけに水路付近のイボタを探すとウラゴマダラシジミの卵も見つかり、僅かの時間でこの周辺で見られる
ゼフィルス全6種の卵を確認することが出来た。